山本音響工芸 F310A
¥210,000(1台、1987年発売)
¥270,000(1台、価格改定時期不明)
解説
アサダ桜集成材を用いたウッドホーン。
ホーンの形状を垂直方向がスロート間近から徐々に広がる形としており、垂直方向の指向性と軸上の周波数特性の向上を図っています。また、自然に拡散する形状を採用したことでスムーズな周波数特性を実現しています。
ホーンの材質には国内産のアサダ桜を75mm厚の集成材として縦方向に木目を向けて使用しています。
アサダ材は一般に桜材として扱われるカバ材などとは一線を画した強さと緻密さを持っており、比重は7.3とかなり重く、澄み切った美しい響きを可能としています。
集成材は木材を一番自然な形で板材化した素材なので、木目方向によって強度や音の伝達速度(音速)が異なります。F310Aでは音速の最も速い木目方向に向けて使用しているため、音の反応は鋭敏なものとなっています。
従来機と組み立て方法が異なっており、内部のセパレーターフィンを上下板に溝を切ってそこへはめ込むような形で一体化しており、さらに側板も上下板で挟み込む形でネジ止めしています。これにより構造面での強度を向上させています。
ホーンの広がり係数にはハイパーボリックホーンの定数を採用しており、変化定数Tの値を0.6に選ぶことによってカットオフ付近まで十分な周波数特性を確保しています。これにより310Hzというカットオフに対して500Hzクロスと十分に低い周波数までの使用が可能となっています。
水平指向角を110゜とやや広めに設定しており、音場再現性を重視した設計となっています。
スロートアダプターは重いドライバーユニットとホーンをしっかり結合するためF280Aと共通の砲金製としています。また、根元の所にスタンド用のポールを取り付けホーン両サイドのセッティングベースとで3点支持となるように作られています。
機種の定格
型式 | サイドカーブ型ディフラクションホーン |
推奨クロスオーバー | 500Hz |
ホーンのカットオフ周波数 | 310Hz |
指向性 | 水平110゜ 垂直40゜ |
スロート径 | 4.9cm |
適合ユニット | TAD4001、JBL2441、2445J等 |
ホーンの材質 | アサダ桜集成材、縦方向使い |
外形寸法 | 幅680x高さ200x奥行416mm |
重量 | 15.5kg |
付属 | 砲金製スロートアダプター 3点支持セッティングベース |