山本音響工芸 F300A
¥280,000(1台、1989年5月発売)
解説
エンクロージャーへの内蔵が可能な大型ウッドホーン。
エンクロージャーにマウントする用途でも使用できるように設計されており、バーチカルツインシステムなどにも利用が可能となっています。ホーンの大きさは組み込み型としては最大限の大きさとしており、指向性はモニター調の音の傾向を目指して水平85゜、垂直40゜と狭目に設定されています。
内部のセパレーターフィンは極限まで薄く、鋭くするよう設計されており、高音域の帯域を広げてハイエンドまでスムーズな周波数特性と指向特性を確保しています。
セパレーターフィンには木材の中で最も硬く、重く、強靭な素材である黒檀を採用しており、上下板に溝を切って、セパレーターフィンをはめ込んで固定することによって9mm弱の厚さで十分な強度を確保しています。
山本音響工芸の従来からの設計方針を踏襲した構造となっており、ホーン内面の上下面と側面の共に連続した美しい内面で構成し、素直でなめらかな特性を実現しています。
ホーン材質にはアサダ桜集成材を採用しており、開口部を20mmと十分に厚みを持たせた形状としています。
F300Aに使用されているアサダ桜は天地板が115mm厚、側板が30mm厚と十分な厚さの材料を使用しており、大型ホーンにありがちなホーン鳴きを少なく抑えています。
設置に3点支持方式を採用しています。
F300Aではスロート部分を砲金で制作し、その部分に大き目のネジを切り、そこに支柱を立て、ホーン両サイドの下部との3点で全て砲金のみで支持するようにしています。
ホーン両サイド部分には高さ7mmの点支持型スペーサーを制作し、スロート部と共に先端を丸めた半球状の形状とすることでエンクロージャーに傷が付くのを防いでいます。
機種の定格
型式 | サイドカーブ型ディフラクションホーン |
推奨クロスオーバー | 500Hz |
ホーンのカットオフ周波数 | 300Hz |
指向性 | 水平85゜ 垂直40゜ |
スロート径 | 4.9cm |
適合ユニット | TAD4001、JBL2441、2445J、2450等 |
ホーンの材質 | アサダ桜集成材、横方向使い |
外形寸法 | 幅694x高さ280x奥行446mm (セッティングベースを除く) |
バッフル開口径 | 幅670x高さ252mm |
重量 | 21.7kg |
付属 | 砲金製スロートアダプター 3点支持セッティングベース |