YAMAHA T-950
¥53,800(1983年発売)
解説
New CSLチューニングシステムを搭載したFM/AMチューナー。
4bitマイコンとチューニング用LSIにより機能を高めたNew CSL(Computer Servo
Locked)チューニングシステムを搭載しています。
New CSLは、10倍精度PLLモードとFMサーボモードの2つのチューニングモードによって構成されています。10倍精度PLLモードでは0.1MHz=10kHzステップで周波数の設定を行うため、IFのオフセットを10kHz単位の精度でアジャストでき、同調点をより厳密に追い込むことができます。そして、僅かでも入力信号があればFMサーボモードに切換り、IF帯の中心点にロックされてPLL動作が停止するため、高周波部・低周波部へのノイズ妨害の無い正確なハイファイ受信を可能にしています。
マルチステーションメモリーを搭載しています。
このメモリーでは、CSLチューニングシステムによって得られた最適受信状態を含めてメモリーするため、常に最良の受信状態で楽しめます。
高周波でのダイナミックレンジを拡大するRFサーボコントロール回路とZero IM
Ruleミキサー段を採用しています。
RFサーボコントロール回路は、RFアンプに対して最適なゲイン制御を行うもので、妨害の無い時にはRFゲインを最大にして高感度受信を可能にし、妨害のあるときはその妨害に応じて受信状態が最良になるように自動的にコントロールします。
Zero IM Ruleミキサー段は、アンプにおけるヤマハZDR回路と同様のもので、従来見過ごされていたIF帯に落ち込む奇数次のスプリアスをバランス回路によって打ち消しています。これにより相互変調妨害や混変調妨害を大幅に改善しています。
検波回路にはウルトラリニアディテクタを搭載しています。
ウルトラリニアディテクタはDC~1.2MHzの広通過帯域を持っており、広いダイナミックレンジを獲得しています。
MPX回路には、スイッチング速度の速いCMOSを採用したDC-NFBスイッチング回路を搭載しています。この回路はスイッチングアンプ等の信号ラインにスイッチング発生回路とは全く独立した高速低雑音のオペアンプを使用しており、トラッキングタイプパイロット信号ピュアキャンセル回路やアンチインタフェアレンスPLLシステムなどによって、音質を改善しています。
IF段にはユニレゾナンスセラミックフィルターを採用しています。
ユニレゾナンスセラミックフィルタは、単共振構造と特殊な電極パターンによって帯域内の微分利得偏差を極小に抑えることができます。
AMチューナー部には電界性ノイズに強いハイQローインピーダンスループアンテナを採用しています。
電界強度やクオリティ表示を行う5点シグナルクオリティメーターを搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
実用感度(IHF、mono) | 1.2μV(75Ω) |
SN比50dB感度 | mono:4.0μV stereo:40μV |
イメージ妨害比(84MHz) | 90dB |
IF妨害比(84MHz) | 110dB |
スプリアス妨害比(84MHz) | 110dB |
AM抑圧比(IHF) | 65dB |
キャプチャーレシオ | 1.2dB |
実効選択度 | DX:85dB Local:30dB |
SN比 | mono:97dB stereo:87dB |
全高調波歪率(1kHz) | mono:0.015% stereo:0.02% |
サブキャリア抑圧比 | 55dB |
ステレオセパレーション | 65dB(1kHz) |
周波数特性 | 30Hz~15kHz ±0.5dB |
<AMチューナー部> | |
実用感度(IHF) | 250μV(ループアンテナ) |
実効選択度 | 25dB |
SN比 | 55dB |
イメージ妨害比 | 40dB |
全高調波歪率 | 0.2% |
<その他> | |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅435x高さ72x奥行316mm |
重量 | 3.8kg |