YAMAHA A-7a
¥96,000(1982年発売)
解説
新開発のZDR(ゼロディストーションルール)を搭載したプリメインアンプ。
アンプの終段の全ての歪をゼロにするため、ヤマハ独自のキャンセル技術であるZDRを搭載しています。
原理的には歪検出回路と加算回路の2つから成り、終段でブリッジ構成によって歪成分だけを取り出し、入力側に戻して歪の発生をゼロにしています。
イコライザアンプ部にはオリジナル・ピュアカレントサーボアンプを採用しています。
これは電源部や配線のL、C、R成分をはじめ電流変化によるノンリニアなどの影響からイコライザを守るもので、ローノイズHi-gmデュアルFET差動ダーリントン接続の初段→カスコード増幅、定電流負荷のプリドライブ段→SEPP出力の出力段という構成となっています。
また、Phonoスイッチの47kΩポジションには新たに220pFと330pFの容量切換を設け、カートリッジとの厳密なマッチングや音質の変化を楽しむための活用が可能です。
メインアンプ部は、初段がローノイズデュアルFET、2段目が差動2段回路→定電流負荷を持つカスコード接続エミッタ接地増幅回路→ブートストラップ電源から、カスコード動作と同様に一定のVCE電圧としたプッシュプルエミッタフォロワ出力のローインピーダンスプリドライブ回路→ZDR搭載High fTTr構成の3段ダーリントンドライブ出力段というDCサーボアンプ構成となっています。
電源部にはヤマハ独自のX電源を搭載しています。
このX電源は電源の二次側から一次側へ高速フィードバックをかけ、負荷変動や一次側の電圧変動に影響を受けず供給電圧を厳密に一定に保とうとする定電圧電源で、通電時間をコントロールするので効率が良く、大電力伝送を可能としています。
また、トランスインピーダンスが小さくとれるという特徴も持っています。
厳選されたハイクオリティパーツを採用しており、位相補正のQPコン、FETマイカコン、スチロールコン、RIAAの高精度金属被膜抵抗、ポリプロピレンフィルムコン、電源部をはじめとする各部にプラケースケミコンなどが採用されており、線材にも無酸素銅線を使用しています。
また、真鍮製EQシートホルダーを採用しています。
ターンオーバー周波数切換式トーンコントロールを搭載しています。
また、コンティニュアスラウドネスやディスクスイッチ、メインダイレクトスイッチ、オーティミューティング、リスニングレベルモニタなどの機能を搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
定格出力(両ch動作、20Hz~20kHz) | 120W+120W(8Ω、歪0.003%) |
パワーバンド幅 | 10Hz~100kHz(8Ω、60W、歪0.02%) |
ダンピングファクタ | 65(8Ω、1kHz) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:160μV/100Ω Tuner、AUX、Tape:150mV/47kΩ |
最大許容入力(1kHz、歪0.003%) | MM:250mV MC:15mV |
出力電圧/インピーダンス | Rec Out:150mV/270Ω |
周波数特性(Main Direct On) | Tuner、AUX、Tape→SP Out:1Hz~100kHz +0 -2dB |
RIAA偏差(20Hz~20kHz) | MM→Rec Out:±0.2dB MC→Rec Out:±0.3dB |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | MM→Rec Out(5V):0.003% MC→Rec Out(5V):0.006% AUX他→SP Out(50W、8Ω):0.003% |
混変調歪率(8Ω) | AUX他→SP Out:0.002% |
SN比(IHF-A) | Phono MM:87dB Phono MC:71dB Tuner、AUX、Tape:106dB |
入力換算雑音(IHF-A) | Phono MM:-138dBV Phono MC:-142dBV |
残留ノイズ(Main Direct On) | 65μV |
トーンコントロール | Bass:±10dB(20Hz) Treble:±10dB(20kHz) |
ハイフィルター | 10kHz、12dB/oct |
ラウドネスコントロール | 1kHz:20dB |
Listening Level Monitor | 0.2W~200W |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 215W |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統、100W 電源スイッチ非連動:1系統、200W |
外形寸法 | 幅435x高さ132x奥行365mm |
重量 | 10.6kg |