WADIA Wadia23
¥390,000(1995年発売)
解説
Wadia16/21直系の高音質技術を投入して開発されたコンパクトCDプレイヤー。
D/A変換部にはワディア方式D/Aコンバーターを採用しています。
この回路は2基のAT&T社製16ビットDSPで構成される演算処理能力36ビット/36MIPSのCPUを搭載しており、音楽信号を自然な状態で復元するディジマスターアルゴリズムとの組み合わせにより、16倍のリサンプリングレートと19ビットの高分解能を達成しています。これによりデジタルオーディオで重要な課題であるタイムドメイン(時間的・過渡的)特性を追求することで、よりリアルで芸術性に満ちた音楽の再現を図っています。
なお、他のワディア製品と同様にプルグラマブル・ゲートアレイとROMチップによってバックアップされるシステムの基本構成を採用しており、将来的なアップグレードへの対応を図っています。
オーディオ出力にはバランス/アンバランスの2系統を装備しています。
バランス側はAD1865N高速バランスDACからのダイレクト方式となっており、アンバランス側はバッファーを介して出力されます。
トランスポート部にはターンテーブル方式メカニズムを採用しています。
この方式ではCDと同径のターンテーブルにディスクを直接置いて信号を上から読み取る方式を採用しており、ターンテーブル方式ならではの大きな慣性モーメントと高トルク仕様スピンドルモーター、ワディアオリジナルのシステムクロック回路によって安定性と静粛性を得ています。これによりサンプリング周波数偏差±25ppm(0.0025%)の高精度と低ジッター性能を得ています。
デジタル出力はSTリンクなどの4系統を搭載しています。
エンクロージャーやプリント基板も回路の重要な一部であるという発想に基づき、厚さ16mmのソリッドアルミによるフロントパネルと吟味された冷間圧延交番で構成される高剛性エンクロージャーを採用しています。
プリント基板にはシールド効果で不要輻射による相互干渉を防ぐ高密度多層基板を採用しています。
浮遊容量を最小限に抑えるプリントパターン設計やレギュレーションに優れた高品質トロイダルトランスの搭載も相まって、音楽性と優れた高精度を獲得しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
<トランスポート部> | |
CDドライブメカニズム | ターンテーブル方式 |
量子化ビット数 | 16ビット/チャンネル |
変調方式 | EFM |
誤り訂正方式 | CIRC |
ピックアップ | 光学式3ビーム対象レンズ駆動方式 |
デジタル出力 | 4系統 ST、TOS、同軸(BNC)、AES/EBU(XLR) |
<D/Aコンバーター部> | |
デコーディングソフトウェア | ディジマスター |
リサンプリングレート | 16倍 |
分解能 | 19ビット |
出力帯域幅 | DC~20kHz |
バスアンドリップル | 0(モノトニック) |
チャンネル位相差 | 0.5゜以下(10kHz) |
チャンネルアイソレーション | 110dB以上(1kHz) |
CPU能力 | 36MIPS、計算能力216dB(36ビット) |
位相反転 | デジタル領域 |
出力バッファ | モノリシック |
出力レベル | 12.5dBV |
オーディオ出力 | 2系統 バランス(XLR)、アンバランス(RCA) |
<総合> | |
電源 | トロイダルトランス、AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 25W |
外形寸法 | 幅350x高さ143x奥行325mm ポイント受けベース使用時:高さ147mm |
重量 | 7.5kg |
付属 | リモートコントローラー ポイント受けベース(4個) |