オーディオの足跡

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KT-8300の画像
 解説 

トリオ独自のパルスカウント検波を搭載したFMチューナー。

検波部の直線性に着目し、検波全帯域が一直線のパルスカウント方式を採用しています。従来のS字カーブによる検波方式に比べて、放送局の音楽波形をそのまま出力波形として再現できる、原理的にも歪を発生させない優れた方式となっています。
KT-8300ではパルスカウントのIC化に成功しており、トランジスタなどのディスクリートを構成していた部分が凝縮され、一つの素子として取り扱える事で、回路設計上のメリットを得ています。

パルスカウント検波方式の特徴を発揮させるため、第一IFで得られた中間周波数10.7MHzを1.96MHzに変換するダブルコンバート方式を採用しています。
これにより相対周波数偏移をあげることができるため、パルスカウント検波で得た広帯域直線幅を生かせ、検波効率をあげてSN比を改善しています。

フロントエンド部には、新開発のFM専用周波数直線型5連バリコンを初段複同調で使用しており、RF段でのIM歪を最小限に抑えています。
さらにデュアルゲートMOS FETの採用などにより妨害排除能力を改善しています。

IF帯域2段切替を搭載しています。
WIDEポジションでは0.1μs(±150kHz)以下というフラットな群遅延特性を示す新開発フェイズリニア型セラミックフィルターを4素子で使用し、高品位な再生音を得ています。
また、NARROWポジションではシャープな特性を持つセラミックフィルター8素子で構成し、遠距離の局や微弱な電波をキャッチします。

MPX部にはクリーンサブキャリアシステムとパイロットキャンセラーを搭載しています。
クリーンサブキャリアシステムにより、オーディオ信号成分がスイッチング信号へ混入することを防いでいるため、ビートディストーションを発生させずにパイロットキャンセラーを正確に動作させる事が可能となっています。

サーボロック機構を搭載しており、受信したい局の±75kHz以内の範囲まで同調をとり、ツマミから手を離すとサーボロック機構の引き込み現象により、自動的に正確な受信周波数をロックします。
直線検波のパルスカウント方式を採用しているため、フィルターの最も歪特性の良い部分が使え、歪を最小限に抑えています。

ダイレクトドライブ・アンプシステムにより得られたノウハウを生かし、低出力インピーダンス設計としています。

機種の定格
型式 FMチューナー
受信周波数 76MHz~90MHz
アンテナインピーダンス 300Ω平衡
75Ω不平衡
感度 75Ω:10.8dBf(新IHF)/0.95μV(IHF)
300Ω:10.8dBf(新IHF)
SN比50dB感度 mono:15.8dBf(新IHF)/1.7μV(IHF)
stereo:37.2dBf(新IHF)/20μV(IHF)
歪率(mono/stereo)
wide 100Hz:0.04%/0.07%
1kHz:0.04%/0.05%
6kHz:0.05%/0.08%
15kHz:0.05%/0.4%
50Hz~10kHz:0.06%/0.15%
narrow 100Hz:0.04%/0.3%
1kHz:0.15%/0.12%
6kHz:0.4%/0.2%
15kHz:0.06%/1.0%
50Hz~10kHz:0.4%/0.3%
SN比(100%変調、1mV入力) mono:84dB
stereo:80dB
イメージ妨害比 120dB
選択度(IHF) wide:45dB
narrow:60dB(300kHz)
IF妨害比 110dB
スプリアス妨害比 120dB
AM抑圧比 65dB
キャプチャーレシオ wide:1.0dB
narrow:2.0dB
サブキャリア抑圧比 72dB
ステレオセパレーション
wide: 55dB(1kHz)
47dB(50Hz~10kHz)
40dB(15kHz)
narrow: 50dB(1kHz)
40dB(50Hz~10kHz)
33dB(15kHz)
周波数特性 30Hz~15kHz +0.3 -0.5dB
出力電圧/インピーダンス
FM(1kHz、100%変調): 0V~1.3V/1.5kΩ(variable)
0.75V/2.5kΩ(fixe)
マルチパス出力: 0.02V/1kΩ(vertical)
0.35V/10kΩ(horizontal)
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力(電気用品取締法) 20W
外形寸法 幅440x高さ153x奥行402mm
重量 7.5kg