TRIO KT-800
¥42,800(1980年頃)
解説
トリオのFM技術とマイコン技術を投入したクォーツPLLシンセサイザー・チューナー。
ワンタッチ選局が可能なFM/AMランダム8局プリセットを搭載しています。
また、バックライトで受信局名が浮かび上がる局名表示を採用しており、プリセットした局名がすぐにわかります。AM/FMともに全国のステーションカードがついています。
ラストチャンネルメモリーを搭載しており、電源を切っても前に聴いていた放送局を記憶しています。
希望局をプリセットするときのマニュアル選局や時刻合わせなどの調整機構はパネル内部のリボルバーポケットに格納されています。
マニュアル選局はまずスイープ動作で希望周波数周辺までもっていき、最終的にはステップ動作で正確な同調ができます。ステップ選局はFM100kHz、AM9kHz間隔でマニュアル操作が可能です。
時・分表示のデジタルクロックを搭載しており、時計表示のままFMやAM放送が楽しめます。
また、時計表示にしたまま選局操作を行うと、自動で約5秒間希望局の周波数が表示されます。
周波数と時刻はデジタル表示を採用しており、マイコンが受信周波数をコントロールし、同時にデジタル表示部へ命令を伝える方式を採用しています。
周波数の指示誤差は基本的になく、同調ズレも歪の増加もありません。
パルススワロー方式によるクォーツPLLシンセサイザーを採用しています。
クォーツ精度で局をしっかりとキャッチしており、機械的な可動部を一ヶ所も持たずに希望周波数を得ることが出来るため、温度や湿度による経年変化やドリフトがありません。
mono/stereoの受信モード、ミューティングのon/offなどもプリセットできるマルチステートメモリーを採用しています。
フロントエンドはMOS FETと4連相当の電子同調回路を採用しています。
AMチューナー部には新開発のラダー型セラミックフィルターを採用しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー | ||||
<FMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 76MHz~90MHz | ||||
アンテナインピーダンス | 300Ω平衡 75Ω不平衡 |
||||
感度(75Ω) | normal(75Ω):10.8dBf(新IHF)/0.95μV(IHF) normal(300Ω):10.8dBf(新IHF)/1.9μV(IHF) |
||||
SN比50dB感度 | mono:16.4dBf(新IHF)/1.8μV(IHF) stereo:38.5dBf(新IHF)/23μV(IHF) |
||||
高調波歪率(100%変調) |
|
||||
SN比(100%変調、1mV入力) | mono:74dB stereo:71dB |
||||
イメージ妨害比(84MHz) | 80dB | ||||
選択度(IHF) | 60dB | ||||
IF妨害比(84MHz) | 90dB | ||||
スプリアス妨害比(84MHz) | 110dB | ||||
AM抑圧比 | 60dB | ||||
キャプチャーレシオ | 1.5dB | ||||
ステレオセパレーション | 50dB(1kHz) 40dB(50Hz~10kHz) 36dB(15kHz) |
||||
周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.2 -2dB | ||||
<AMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 531kHz~1602kHz | ||||
感度 | 18μV(IHF) 300μV/m(バーアンテナ) |
||||
歪率 | 0.7%(1000kHz) | ||||
SN比(30%変調、1mV入力) | 50dB | ||||
イメージ妨害比(1000kHz) | 40dB | ||||
選択度(IHF) | 50dB | ||||
<出力レベル/インピーダンス> | |||||
FM(1kHz、100%変調) | Fixed:0.75V/5.6kΩ | ||||
AM(400Hz、30%変調) | Fixed:0.25V/5.6kΩ | ||||
<総合> | |||||
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
定格消費電力(電気用品取締法) | 7W | ||||
外形寸法 | 幅440x高さ52x奥行247mm | ||||
重量 | 2.2kg |