TRIO KT-700
¥39,800(1982年頃)
解説
トリオ独自のクリーンレセプションフィルターを搭載したAM/FMチューナー。
ステレオ受信時に相互変調が発生させる隣接妨害波による、耳障りな高域のビート妨害を排除するため、クリーンレセプションフィルターを採用しています。
また、フィルター回路の改善により、高域セパレーションも向上してます。
新開発のローノイズ・クォドラチャー検波ICを採用しており、ICのデバイスそのものをローノイズ化することにより広い復調帯域を維持しつつSN比を改善しています。
同調・離調時、またはパワーON/OFF時に発生するノイズを抑えるため、独立構成のFETミューティング回路を採用しています。
同調・離調時に発生する深いなテレビ・バズの音をカットするノイズ検出型ミューティングと相まって、クリアなステレオ再生を実現しています。
IF帯域フィルターに、位相直線性に優れたリニアフェイズ型の高選択度セラミックフィルターを2段採用しています。
また、差動増幅回路は、外部に2段、IC内部に6段の計8段構成とし、隣接チャンネル妨害に強い設計となっています。
フロントエンド部は高周波特性に優れたローノイズJ-FETを採用した高周波増幅1段・3連バリコン構成となっています。
また、MIX、局部発振回路にハイブリット回路を採用して安定性を向上させています。
REC CAL(テスト信号発生回路)を内蔵しており、安定したレベルでCAL信号を発信するため、録音レベルが調整できます。
同調・離調を自動的に読取りLED(発光ダイオード)で表示する2色点灯チューニング/ロックインジケーターを採用しています。
チューニングツマミを回して受信局の同調範囲に入るとTune/Lock LEDが赤色に点灯します。しかも、タッチサーボ機構により、ツマミから手を離すと自動的にサーボロックが差動し、ベストチューニングポイントをキープします、この時LEDは緑色に変化し、ロック状態に入ったことを示します。
また、アンテナ入力を示すシグナルメーターは、FM・AMともにLEDの5ポイント表示となっています。
AM受信部には、高選択度ラダー型セラミックフィルターを採用し、隣接妨害排除能力を向上させるとともに周波数特性を向上させています。
機種の定格
型式 | FM/AMステレオチューナー | ||||
<FMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 76MHz~90MHz | ||||
アンテナインピーダンス | 300Ω平衡 75Ω不平衡 |
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感度(75Ω) | 0.95μV(IHF)、10.8dBf(新IHF) | ||||
SN比50dB感度 | mono:2.0μV(IHF)、17.2dBf(新IHF) stereo:20μV(IHF)、37.3dBf(新IHF) |
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高調波歪率(100%変調) |
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SN比(100%変調、85dBf入力) | mono:84dB stereo:78dB |
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キャプチャーレシオ | 1.5dB | ||||
実効選択度 | 65dB | ||||
ステレオセパレーション | 52dB(1kHz) 40dB(50Hz~10kHz) |
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周波数特性 | 30Hz~15kHz+0.2 -1.5dB | ||||
イメージ妨害比(84MHz) | 55dB | ||||
IF妨害比/スプリアス妨害比(84MHz) | 95dB/90dB | ||||
AM抑圧比/サブキャリア抑圧比 | 60dB/42dB | ||||
<AMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 520kHz~1650kHz | ||||
感度(IHF/ループアンテナ) | 15μV / 250μV/m | ||||
SN比(30%変調、1mV入力) | 52dB | ||||
高調波歪率(1000kHz) | 0.4% | ||||
選択度(IHF) | 58dB | ||||
<出力レベル/インピーダンス> | |||||
FM(1kHz、100% Dev.) | Fixed:0.75V/1.8kΩ | ||||
AM(400Hz、30% Mod.) | Fixed:0.15V/2kΩ | ||||
<総合> | |||||
定格消費電力 | 10W(電気用品取締法) | ||||
電源 | AC100V、50/60Hz | ||||
外形寸法 | 幅440x高さ78x奥行390mm | ||||
重量 | 4.7kg |