KENWOOD LS-V700
¥49,800(1台、1990年頃)
解説
映像ソフトの再生を考慮して設計されたスピーカーシステム。
LS-V700は、発売当時に普及していた29型のディスプレイを一般的なテレビ台に置いた際に、その両側にセッティングした場合にセリフ成分と画面上の人物の高さが同一音軸上となるよう設計されています。
ワイドレンジスコーカーとツィーターを搭載したサテライトスピーカーと、サブウーファーを組み込んだエンクロージャーを独立した構成を採用しています。ウーファー部とサテライト部を分離させた事で相互干渉を排除し、よりクリアな中高域再生を実現しています。
また、独立した構成とする事でサブウーファーとサテライトスピーカーの角度を変えたセッティングや分離したセッティングなど、部屋の条件やモニターに合わせて自由なセッティングが可能です。
150Hz以下を受け持つウーファー部は、3つのチャンバーに別れた構造となっており、内部には16cmコーン型ウーファーを2個搭載しています。
さらにヘルムホルツの共鳴を利用したストリームラインポートの働きによって迫力ある低音再生を実現しています。
ウーファー部は、2個駆動と1個駆動、無しをスイッチで切り換える事ができ、低音の量を調整できます。
中域にはワイドレンジ設計の16cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
このユニットには新開発の導電部装着ダンパー AFC(Adovanced Feed Construction)を採用しています。このAFCは平網錦糸線をダンパーに縫い付ける事でボイスコイルと振動板との伝搬距離を短縮しています。これにより伝送ロスが少なくなると共にボイスコイルボビンも軽量化されるため、高域再生が拡大されます。しかも、従来構造のように錦糸線を使用していないため、大振幅時に異音が発生しません。
振動板には2種類の素材を配合した特殊ダンプ剤をコーティングし、通常コーンの約2倍の内部損失を得ています。
磁気回路にはユニット重量1500g、磁束密度9500gauss、総磁束55700maxwellの強力磁気回路を採用しています。
高域には2.5cmソフトドーム型ツィーターを搭載しています。
エンクロージャーのサラウンドスピーカー部は台形形状を採用しており、定在波による音の濁りを低減しています。
サテライトスピーカーはバスレフ方式を採用しています。
バイワイヤリング接続に対応したスピーカーターミナルを搭載しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・4スピーカー・フロア型・防磁設計(EIAJ) |
ユニット | 低域用:16cmコーン型x2 中域用:16cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
再生周波数帯域 | 30Hz~23kHz |
最大入力 | 120W |
インピーダンス | 6Ω |
クロスオーバー周波数 | 150Hz、5kHz |
最大外形寸法 | サテライト部:幅228x高さ325x奥行344mm(グリル含む) サブウーファー部:幅228x高さ510x奥行355mm |
重量 | サテライト部:7kg サブウーファー部:13kg |