TRIO PC-400
¥42,900(1969年頃?)
解説
ベルト・アイドラ・ダブル・ドライブ方式を採用したレコードプレイヤー。
駆動方式に、ベルト・アイドラ・ダブル・ドライブ方式を採用しています。これは、ベルトドライブ方式とアイドラドライブ方式の2つの方式を組合わせたもので、新しく開発された直径80mmの大型アイドラ、直径32cmのターンテーブル、両面精密研磨された8mm幅シリコン・ベルトなどの採用と相まって、両方の方式の長所を生かした性能を実現しています。
センターシャフトには、摩擦の非常に少ないステンレス鋼を採用し、表面に精密研磨処理を施す事で、シャフトと軸受けとの接触面を少なくし、さらに摩擦を防いでいます。また軸受け底部には4mm厚のポリウレタンが埋め込まれ、モーターの振動を吸収する設計になっています。
軸受部は完全密閉されており、異物の混入がありません。また、シャフトの表面にミクロン単位の螺旋状の溝がつけられており、シャフトが回転をはじめると、潤滑材である二硫化モリブデンが溝を伝わり、常にシャフト表面を平均にいきわたるよう設計されています。
二硫化モリブデンは、電気的にマイナスの特性を持っているため、プラスの特性を持った金属の表面に吸着しやすい性質を持っています。この二硫化モリブデンを潤滑材として使用することにより、摩擦もすくなくなり、回転ムラの無いなめらかな回転を実現しています。
駆動部には、4極シンクロナス型モーターを採用しています。また、回転中のモーター振動を和らげるため、電源電圧を若干下げて余裕のある駆動をしています。
ターンテーブルには、直径32cmのアルミダイカスト製ターンテーブルを採用しています。
トーンアームにはスタティックバランス型を採用しています。
オーディオコードやヘッドシェル・プラグインは、全てEIA規格に準じています。
カートリッジにはMM型カートリッジを採用しています。
アイドラ・シャフト部の摩擦とオイルの関係に着目し、アイドラ専用のオイルを開発して採用しています。
これにより、温度が変化しても粘土変化の無い特性を得ています。
50Hz/60Hzの切替え用にレバーを採用しています。
このレバーはターンテーブルを外すだけでプレイヤー上部から行うことができます。また、同時にコンデンサーの容量切替もできるようになっています。
アームエレベーション機構を搭載してます。
また、アーム下降速度は速度調整ツマミにより調節することができます。
モーターから出る非常に小さい振動をダイキャストボードに伝えないようにするため、吸振作用のある新材料吸振ゴムを使用し、吸振ゴムがボードに接する部分を、点接触にしてボードへの振動伝達度を少なくしています。
機種の定格
| 型式 | レコードプレイヤー |
| <ターンテーブル部> | |
| 駆動方式 | ベルト・アイドラ・ダブル・ドライブ方式 |
| 駆動モーター | 4極ヒステリシス・シンクロナス型モーター |
| ターンテーブル | 32cmアルミダイキャスト製、3.0kg |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| ワウフラッター | 0.04%以下 |
| SN比 | 53dB以上 |
| <トーンアーム部> | |
| 型式 | スタティックバランス型パイプアーム 針圧直読式 4端子プラグイン式 ラテラル・バランス・ウェイト インサイドフォース・キャンセラー・ウェイト |
| トラッキングエラー | ±1゜ |
| 針圧可変範囲 | 0~4g |
| <カートリッジ部> | |
| カートリッジ | MM型 |
| 周波数特性 | 15Hz~21kHz |
| 出力バランス | ±1dB以内 |
| チャンネルセパレーション | 28dB以上(1kHz) |
| インピーダンス | 1.8kΩ(1kHz) |
| 出力電圧 | 5mV(1kHz、5cm/s) |
| 負荷抵抗 | 50kΩ |
| 針圧 | 2g~3g |
| 針先 | 0.5mil |
| コンプライアンス | 15x10-6cm/dyne |
| 交換針 | N-25 |
| <その他> | |
| 付属装置 | オイルダンプ・アーム・エレベーション AC ON/OFF アイドラ・コントロール |
| 消費電力 | 60Hz:17W 50Hz:21W |
| 外形寸法 | 幅460x高さ200x奥行410mm |
| 重量 | 13.2kg |