KENWOOD KX-990SR
¥89,800(1984年発売)
解説
独自の定電流駆動方式Super TLLEを搭載したステレオカセットデッキ。
回転ヘッドの固定にはヘッドベース・スタビライザーを、テープパスの安定化には消去ヘッドシーソー動作構造を、さらにトルク変動を抑える低トルクリップルフィルターを採用しており、安定走行を実現しています。
ヘッド部では、グラツキや微妙な振動による変調ノイズを防止するため、独自のヘッドベース・スタビライザーを採用しています。
このヘッドベース・スタビライザーは、ヘッドの取付台に切られた凹溝とステンレスのバネにより、ヘッドを適切なアジマスポイントに固定すると同時に、テープ走行によって発生する前後方向の振動にも、上下方向にも影響されないようしっかりと固定しています。
ヘッド回りの走行系に独自のシーソー構造の消去ヘッド選択機構を採用しています。
これにより、FWD走行中はFWD用の消去ヘッド、REV走行中はREV用の消去ヘッドだけがテープに接触し、かつFWD、REVの微妙なテープ走行位置の差を各方向専用の消去ヘッドに付いたテープガイドで調整するので、無理の無い走行が得られています。
この方式では、安定した走行が要求される録再ヘッドと、テープを定速で駆動するキャプスタン、ピンチローラとの間に消去ヘッドが入らないため、ワンウェイと同等のテープパス性能が得られています。
モーターのトルク変動が不安定なテープ走行の原因となってワウフラッターを劣化させてしまうのを防ぐため、コンピューター解析を行い、トルク変動を従来の1/2以下に抑えた低トルクリップルモーターを採用しています。
従来のTLLEをさらに発展させた独自の定電流駆動回路であるSuper TLLEを採用しています。
ヘッド駆動用のアンプを強化し、高域でのヘッド電流歪を低減するとともにダイナミックレンジの一層の拡大をはかっています。
ヘッドには無酸素銅を採用したニューアモルファスヘッドを採用しています。
-36dBまで表示のレベルメーターを搭載しています。
FWD走行、REW走行ともにイージーオペレーションが可能なNew DPSSを搭載しています。
ブラックモデルの他にシルバーモデルもありました。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(105kHz) |
ヘッド | 録音・再生:アモルファスアロイヘッド 消去:センダストガード付ダブルギャップフェライトヘッドx2 |
モーター | キャプスタンモーター:エレクトリカル・コントロールDCモーター リールモーター:DCモーター メカ駆動モーター:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.06% W・Peak(EIAJ) 0.035% (WRMS) |
早巻時間 | 約80秒(C-60) |
周波数特性 | ノーマルテープ:20Hz~18000Hz ±3dB クロームテープ:20Hz~19000Hz ±3dB メタルテープ:20Hz~20000Hz ±3dB |
歪率 | メタルテープ:0.8%(1kHz、3次高調波歪率) |
SN比 | EIAJ メタルテープ:56dB Dolby C on:74dB Dolby B on:67dB Dolby NR off:59dB |
入力端子 | ライン:77.5mV(入力インピーダンス50kΩ) |
出力端子 | ライン:0.77V(出力インピーダンス2kΩ) ヘッドホン:0.85mW(出力負荷インピーダンス8Ω) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | AC 25W(電気用品取締法) |
外形寸法 | EIAJ:幅440x高さ98x奥行300mm 突起部含む:幅440x高さ111x奥行322mm |
重量 | 6.0kg |