KENWOOD KX-949W
¥89,800(1985年頃)
解説
完全なデッキ機能を備えた2台のデッキ機能をワンボディに搭載したカセットデッキ。
従来の録再ダブルリバース機能を発展させたIDRS(Isolated Dual Recording System)を搭載しています。
2巻テープ連続の長時間録音・再生や同一ソースのテープ2巻同時録音、相互ダビング、2つのソースの同時録音、2つのソースを録音しながら第3のソースのリスニング、一方で録音しつつ他方でテープリスニングなどの操作が可能です。
再生アンプ、ドルビーシステム、録音アンプ、入出力ライン、バイアス発振器を2系統独立して内蔵しています。
ノンドルビーテープからドルビーCテープへ、ドルビーBテープをドルビーCテープというように希望するドルビーモードでダビングが行なえます。さらに、ドルビーCで録音されたテープをドルビーBに変換する事もできます。
デジタルカウンターや12ポイントピークレベルメーター、ダビング表示などを内蔵したFLディスプレイを内蔵しています。
A/Bメカニズムが同時に動作している際に表示カウンター値は一つですが、表示されていない方のカウンターも動作しており、表示切替キーでA/Bどちらのデッキも確認できます。
3倍速ダビング機能を搭載しており、AデッキからBデッキにテープをコピーする場合に定速モードと3倍速モードの2モードでダビングが可能です。
シールド板兼用の補強金具をシャーシのセンターに配置する高剛性アイソレート構造を採用しています。
この構造によって信号系と制御系を完全分離すると供にシャーシ全体を剛性化する事で不要振動を大幅に低減しています。また、信号系のマルチユニットも抑え金具でしっかりと固定する事で有害な振動を排除しています。
電源部には、信号系とメカニズム系とFLヒーター用とを独立した3巻線を持つ電源トランスと、信号系とメカニズム系とマイコン系とメーター系を独立させた4系統の定電圧回路を持つマルチ電源を搭載しています。さらに信号系には±電源を採用してアースの明確化を計り、各ステージ間の干渉を排除しています。
また、各ステージをユニット化し、ユニット化されたモジュールを最適な箇所に配置する事で信号ラインをシンプル化し、信号ラインの引き回しを最短化しています。
ヘッド部には回転ヘッドを採用しちえます。
録再ヘッドにはコンターエフェクトや耐摩耗特性に優れたハイパボリック形状ヘッドを採用しています。また、消去ヘッドはテープの高抗磁力化に対応したヘッドを採用しています。
ダイキャストヘッドブロックなどで剛性化を高めたメカニズムで優れたテープパス性能を実現しています。
Aデッキ用とBデッキ用の2系統の入力端子を備えています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス |
ヘッド | 録音・再生:ダブルギャップ・フェライト 消去:ハードパーマロイ |
モーター | キャプスタン駆動:2スピード電子切換付きDCモーターx2 |
ワウ・フラッター | ±0.16%(EIAJ) 0.08%(WRMS) |
早巻時間 | 約80秒(C-60テープ) |
周波数特性 | ノーマルテープ:30Hz~16kHz ±3dB クロームテープ:30Hz~17kHz ±3dB メタルテープ:30Hz~18kHz ±3dB |
歪率 | メタルテープ:1.0%(1kHz、3次高調波歪率) |
SN比 | EIAJ メタルテープ:55dB Dolby C on:75dB Dolby B on:67dB Dolby NR off:58dB |
入力端子 | ライン:77.5mV/50kΩ |
出力端子 | ライン:490mv/3.3kΩ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 26W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅340x高さ119x奥行353mm |
重量 | 6.2kg |