KENWOOD KX-880SRII
¥69,800(1984年発売)
解説
Super TLLEそ採用したKX-880SRの改良型モデル。
ヘッド駆動用と利得制御用の2つのループを持ち、±2電源で録音ヘッドとDC直結したケンウッド独自の定電流駆動回路Super
TLLEを採用しています。
これにより、高域における電流伝達ロスがなく高品位で厚みのある高音が録音できています。
また、出力抵抗を追放して従来方式と比べて録音アンプのダイナミックレンジを12dB~13dB改善(400Hz)し、さらにヘッド駆動電流がヘッドのインピーダンス変化に依存しないため位相劣化が起きず負荷変動に起因する電流歪を抑圧し、また録音ヘッドとDC直結となっているため超低域までフラットな録音が可能となっています。
メカにかかるあらゆる振動モードを解析して開発された高剛性サイレントメカを採用しています。
さらに、KX-880SRIIではメカ本体をシンプル化し、カセットを固定するガイドに金属シャフトを採用するなどの他に、ヘッドを据えつけるヘッドベースにより剛性の高い金属を使用するなど、剛性を高めています。
録音回路、再生回路、ドルビーB・C回路の全てにオペアンプ型式の±電源回路を採用しており、アースのゼロ電位を明確化してクリアな音を実現してます。
さらに電源部は±5系統の定電圧電源を使用して各部間の干渉を排除しており、とくに録音回路に電源リップルなどがのらないため、音像定位を向上させています。
アースを明確化したモーター駆動回路を採用しており、モーターが回転することによって発生するノイズ成分を除去して、音質を改善しています。
ヘッドにはアモルファスアロイヘッドを採用しており、透磁率が高く、小さな磁界で大きな磁束がとれるため、高能率・高音質録音が可能となっています。
構造は、絶縁性に優れたアモルファスアロイを45μの極薄板にして13枚ラミネートしヘッドコアを構成しており、過電流が少なく、高域レンジの伸びた広い周波数特性を実現しています。
さらに、巻線には無酸素銅を使用し伝送特性を改善しています。
-36dBまで表示できるレベルメーターを搭載しています。
ドルビーCタイプにICを採用しています。
前後1曲頭出し、希望曲の頭出し、1曲リピート、ワンサイド・フルリピート、ダッシュアンドプレイ、リレックスタンバイ、リワインドプレイ、0ストップ、インデックススキャン、ブランクサーチ、オーとれっくミュートなどの多彩な操作が可能なNew
DPSSを搭載しています。
4桁リニアカウンターはDPSS表示計、残量表示計として自動的に切換る多機能表示を採用しています。
ブラックモデルの他にシルバーモデルもありました。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(105kHz) |
ヘッド | 録音・再生:アモルファスアロイヘッド 消去:ダブルギャップフェライトヘッド |
モーター | キャプスタンモーター:FGサーボDDモーター リールモーター:DCモーター メカ駆動モーター:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.054% W・Peak(EIAJ) 0.027% (WRMS) |
早巻時間 | 約85秒(C-60) |
周波数特性 | ノーマルテープ:20Hz~18000Hz ±3dB クロームテープ:20Hz~19000Hz ±3dB メタルテープ:20Hz~22000Hz ±3dB |
歪率 | メタルテープ:0.8%(1kHz、3次高調波歪率) |
SN比 | EIAJ メタルテープ:57dB Dolby C on:74dB Dolby B on:67dB Dolby NR off:59dB |
入力端子 | ライン:77.5mV(入力インピーダンス50kΩ) |
出力端子 | ライン:0.77V(出力インピーダンス2kΩ) ヘッドホン:0.85mW(出力負荷インピーダンス8Ω) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | AC 25W(電気用品取締法) |
外形寸法 | EIAJ:幅440x高さ98x奥行300mm 突起部含む:幅440x高さ111x奥行322mm |
重量 | 5.9kg |