KENWOOD KX-4520
¥50,000(1990年頃)
解説
高い基本性能と使いやすさを持たせた3ヘッドカセットデッキ。
メカニズム部にはクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しています。
この方式では2組のキャプスタンとピンチローラーを用いてヘッドの両サイドでテープを走行させており、ヘッドに接触するテープの前後から走行させる事で理想的なヘッドタッチを確保しています。これによりテープの走行ムラを大幅に排除し、ワウフラッターを大幅に改善しています。
ケンウッド独自のテープパススタビライザーを搭載しています。
従来の板バネによるカセットハーフの装着方式に加えて圧縮コイルバネを用いた独自のクランパーと、その先端に特殊弾性ゴムを使用しています。この構造ではカセットホルダーを閉じると左右両端よりカセットハーフを包み込むように押さえ込み、しっかりと固定します。
これによりカセットハーフの振動を吸収し、テープ走行を安定させると共に様々な振動の影響をシャットアウトし、ワウフラッターや変調ノイズを軽減しています。
ヘッド部には3ヘッド方式を採用しています。
KX-4520ではヘッドの巻線にPC-OCCを採用しており、音楽信号の伝送ロスを低減しています。
ハイバイアスシステムを採用しており、録音バイアス周波数を従来の2バイの周波数である210kHzに設定する事でバイアス周波数と高域成分とのビートや混変調ノイズを低減しています。
ドルビーHX-PROを搭載しています。
この回路では録音ヘッドに流れる高域信号を検出し、高域信号の増減に応じてバイアス電流をコントロールします。これにより録音時の高域特性を改善しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/Cを搭載しています。
オートバイアスキャリブレーション機能を搭載しており、テープに合わせてバイアスの調整を自動的にマイコンが制御し、使用テープの能力を生かしたバイアスに設定します。
ディスプレイ部には視認性の高い大型ディスプレイを採用しています。
CCRS対応シリアル端子を搭載しており、ケンウッドのCDプレイヤー(DP-8020、DP-7020、DP-6020、DP-5020等)を接続すると、マイコンによってCDプレイヤーはピークサーチ動作し、高速でCDソフトの信号をKX-4520に出力します。これにより簡単に録音レベルを適正状態にセットする事ができます。
また、ケンウッドのAVアンプと接続するとAVアンプ付属リモコンでKX-4520の操作が可能です。
ライン入出力端子やヘッドホン出力端子に金メッキ端子を採用しています。
±2電源、アース分離回路構成を採用しており、より純度の高い録音・再生を可能にしています。
脚部には60φの新構造大型インシュレーターを採用しています。
リモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(ハイバイアス210kHz) |
ヘッド | 録音・再生:ハードパーマロイヘッド(コンビネーションヘッド) 消去:ダブルギャップ・フェライト消去ヘッド |
モーター | キャプスタン駆動:FGサーボDCモーターx1 リール・メカ駆動:DCモーターx1 |
ワウ・フラッター | ±0.085%(EIAJ) 0.05%(WRMS) |
早巻時間 | 約90秒(C-60テープ) |
周波数特性 | ノーマル:20Hz~17kHz ±3dB クローム:20Hz~18kHz ±3dB メタル:20Hz~19kHz ±3dB |
SN比 | 56dB(EIAJ、メタル) 58dB(Dolby NR off) 66dB(Dolby B NR) 73dB(Dolby C NR) |
歪率 | 0.7%(1kHz、第3次高調波歪率、メタル) |
入力感度/インピーダンス | Line:77.5mV/50kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line:490mV/3kΩ Headphone:0.85mW/8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 18W |
最大外形寸法 | 幅440x高さ127x奥行321mm |
重量 | 5.2kg |
付属 | ワイヤレスリモコン(RC-X4520) |