Technics SL-PS860
¥54,800(1994年頃)
解説
S-アドバンストMASH・クラスA DACやバーチャルバッテリーオペレーションなどの高音質技術を搭載したCDプレイヤー。
D/A変換部にはS-アドバンストMASH・クラスA DACを採用しています。
この回路は、上位機種で採用されたS-アドバンストMASHと2つのクラスA PWM出力ICの3LSI構成とし、従来のアドバンストMASHに4次ノイズシェーピング回路とデジタルディエンファシス回路を内蔵することでグレードアップを図っています。また、LSIの3チップ化によってMASH部LSIとL/Rチャンネル各々のPWM出力ICをセパレートし、デジタルノイズの影響を避けてチャンネル間ストロークを低減しています。
また、PWM出力部を従来のC-MOSからバイポーラに変更し、パルス波形の変化点での電流の急峻な変化による貫通電流の発生を軽減することで、PWM波形上でのオーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制しています。これによるパルスの波高値を安定化させ、理想的なPWM出力を実現しています。
さらに、水晶発振回路をD/Aコンバーターの近くに配置することでクロックジッターを抑えています。
電源部にはバーチャルバッテリーオペレーション回路を採用しています。
この回路ではFET素子を電源回路に組み込んでおり、AC電源のノイズや基準電源発生からオーディオ回路に混入するノイズをコンデンサーチャージ側で遮断し、音声信号にノイズが混入するのを防いでいます。
デジタルサーボを搭載しており、ディスク1枚1枚の状態に合わせてサーボ量を調節することで安定した駆動を実現しています。
サイレントメカニズムを採用しており、ディスクトレイを140mmとワイド化するとともに、重量バランスの良いセンターにメカニズムを配置しています。また、金属とBMCの多層構造によるTNRCを採用しており、外部からの振動を低減しています。
ローディングメカニズムには静粛性に優れたSL1を採用しており、メカの共振を抑えることでサウンドのクリアネスを確保しています。さらに独自のスイングアーム駆動方式を採用することでサイレント動作を実現しています。
ラインアウト回路にはクラスAA回路を採用しており、理想的なA級動作を実現しています。
鋼板と粘弾性体を組み合わせることで優れた振動減衰特性を獲得したTHCB(テクニクス・ハイブリッド・コンストラクション・ベース)と、4つの大型インシュレーターによって内外の振動を低減しています。
また、光デッキメカニズムを重量バランスの良い中央部に配置し、さらにダブルインシュレーターでフローティングすることで、メカニズムの振動を抑制しています。
デジタルオプティカル端子を搭載しています。
ディスプレイモード機能を搭載しており、ディスプレイ表示を消灯できます。
金メッキが施されたライン出力端子を搭載しています。
シンクロエディット機能を搭載しており、テクニクス/パナソニックの専用端子付きカセットデッキと組み合わせることで、デッキと連動して編集録音が行えます。
ピークサーチ機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.2dB |
ダイナミックレンジ | 100dB以上(EIAJ) |
S/N比 | 120dB以上(EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.0017%以下(EIAJ) |
チャンネルセパレーション | 110dB以上(EIAJ) |
ワウフラッター | 測定限界以下(EIAJ) |
ヘッドホン出力レベル | 最大15mW/32Ω(可変) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 14W |
外形寸法 | 幅430x高さ125x奥行335mm |
重量 | 5.6kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |