Technics SL-P900
※受注限定品
¥100,000(1991年頃)
解説
MASH・1ビットDACとデジタルサーボを搭載したGシリーズのCDプレイヤー。
D/A変換部には、ゼロクロス歪などの非直線歪を原理的に発生せず、微小信号の再生能力の高いMASH・1ビットDACを搭載しています。特にSL-P900ではさらに回路を洗練することで、高音質化を図っています。
まず、動作クロック周波数を従来の2倍とすることで可聴帯域における理論S/N比を20dB以上も向上しています。さらに、ゼロ出力時のPWM波形を中心として上下対称なPWM波形を出力するため、大振幅時でも二次高調波の発生が原理的にありません。
また、SL-P900ではこれを1チップ化して搭載しており、差動回路で高調波を打ち消す8DAC構成が、より高いS/N比と低歪、高リニアリティを実現しています。
サーボ回路にはデジタルサーボを採用しています。
デジタルサーボでは、演奏するディスクごとに、フォーカス、トラッキング、トラバースの各サーボ量をソフトウェア処理でコントロールしています。これにより安定したサーボ特性がデジタル信号の時間軸でのゆらぎやサーボ電流のリップルを減らし、音質を向上させるとともに、ディスクのプレイアビリティを向上させています。
再生音に影響を与える外部振動への対策を強化しており、脚部の4つのインシュレーターと、スプリングと粘弾性材からなる光デッキインシュレーターによって床からの振動を大幅に低減しています。また、優れた振動減衰特性を持つTNRCベースと金属シャーシベースの多層複合により、音圧による空気振動の影響も抑えています。
さらに、TNRC製ディスクトレイは重量バランスの良いセンターに配置するとともに、トレイ駆動機構にスイングアームメカを採用することでサイレント動作を実現しています。
電源部にはデジタル信号/サーボ系とオーディオ系にそれぞれ専用の電源トランスを搭載しており、システムクロック等の高周波成分を多く含むデジタル信号や、強力なサーボ電流による音質への悪影響を防いでいます。
ソフトミュートやレベルアッテネーションも可能な光デジタル出力端子を搭載しています。
固定と可変の2系統のアナログ出力を搭載しています。また、可変出力はリモコン電動ボリュームによる音量調整が可能です。
また、ラインアウト出力やヘッドホン出力には金メッキを採用しています。
ラインアウト回路にはクラスAAを採用しており、負荷変動の影響を受けにくい忠実な波形伝送を可能にしています。
試聴と特性試験を繰り返して厳選した高音質パーツを使用しており、非磁性体キャップを用いた炭素皮膜抵抗や、高音質電解コンデンサー、オーディオ用ポリプロピレンコンデンサーを採用しています。
ディスプレイモード機能を搭載しており、リモコン操作でディスプレイ表示を消灯できます。
消灯時においてもキー操作を行えば5秒間点灯します。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.3dB |
ダイナミックレンジ | 99dB以上(EIAJ) |
S/N比 | 118dB以上(EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.0022%以下(EIAJ、10次までの高調波成分) |
チャンネルセパレーション | 112dB以上(EIAJ) |
ワウフラッター | 測定限界以下(EIAJ) |
ヘッドホン出力レベル | 15mW/32Ω(可変) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 16W |
外形寸法 | 幅483x高さ133x奥行333mm |
重量 | 7.4kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |