Technics RS-1060U
¥460,000(1974年頃)
解説
2トラック・38cm/sのテープデッキとして、最も贅沢な構成に加え、キャプスタンダイレクトドライブを加えた最高級テープデッキ。
キャプスタンモータには、ブラシレス低速モータとキャプスタンは直径12mmのものを用い、D.Dの高性能をさらに高めています。
3モータにエレクトロニックコントロール方式を採用しています。
これは、モータ軸をキャプスタンに仕上たダイレクト駆動方式で、その回転は電子回路によってコントロールすることで正確な動作を得ています。
正確な動作により、モータが必要な回転数で静かに動作するため、振動の発生がなくフラッタも少なくなっています。
また、経年変化による性能の劣化も少なくなっています。
リールモータには、6極エディカレント形のインナロータ・モータを採用しており、リールサイズによるテンション切換えも可能です。
メカニズムの動作は電磁プランジャとリレーによって行っているので、操作はすべてマイクロスイッチの指示で行えます。
19cm/sと38cm/sの2スピードそれぞれで、±2%の速度調節が可能です。
微調整ツマミにはクリックストップを設けているため、所定の速度はその位置で正確に得られます。
電気回路部は、ダイナミックレンジの広い生の音を録音することを目指し、特にリニアリティを重視した設計が行われています。
回路構成は、再生系の1~3段、録音系の2~4段がそれぞれ3段の直結回路となっており、トランジスタには厳選したローノイズ・タイプを採用し、アンプ系だけで35石のトランジスタが採用されています。
マイク入力とライン入力にそれぞれ独立したレベル調節器を設けており、ミキシング録音も可能となってます。
また、マイクロホン用のインピーダンス切換えスイッチを備えているため、ローインピーダンス形からハイ・インピーダンス形まで全てに対して最良のマッチングが得られるようになっています。
ヘッドは、ダイカストのヘッドマウントに4個のヘッドが装着された構造となっています。
内容は左から、2トラックの消去用、2トラックの録音用、2トラックの再生用、4トラックの再生用となっており、消去ヘッド以外は、すべてHPFヘッドを採用しています。
HPFヘッドは、形状にハイパボリック形を採用しています。
このヘッドの特徴には、ギャップ精度が高く、寿命が長く、過電流損失が少ないため高域特性がすぐれているなどがあります。
マイクロホン入力は、前面に大形単頭プラグ用のジャックと背面に平衡型キャノンタイプのジャックを設けてあります。
キャノン入力側には、BTS規格の入力多ランす(600Ω平衡-72dB)を内蔵しています。
エディティング・ボタン、大形の照明入りVUメータ、テープセレクタ、プッシュロック式のリールクランパ、後追い録音などの機能を搭載しています。
機種の定格
型式 | 38cm/s 2トラック・ダイレクトドライブ・3モータマスターテープデッキ | ||||||||
録音バイアス方式 | AC:180kHz | ||||||||
消去方式 | AC消去方式 | ||||||||
トラック方式 | 2トラック2ch録/再、4トラック2ch再生 | ||||||||
テープ速度 | 38cm/s、19cm/s、±2%可変 | ||||||||
使用ヘッド | 録音:HPFx1 再生:HPF(4トラック用・2トラック用各1) 消去:フェライトx1 |
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使用モータ | キャプスタン用:直流ダイレクトドライブモータx1 リール用:6極エディカレントモータx2 |
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周波数特性 | 38cm/s:30Hz~27000Hz、±3dB 19cm/s:25Hz~24000Hz、±3dB |
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ワウ・フラッタ | 38cm/s:0.04% 19cm/s:0.07% |
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SN比 | 38cm/s、XDテープ:58dB以上 19cm/s、XDテープ:55dB以上 |
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入力 |
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出力 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||||||
消費電力 | 約110W | ||||||||
外形寸法 | 幅425x高さ568x奥行270mm | ||||||||
重量 | 約33kg |