Technics SP-10mkII
¥150,000(1976年頃)
解説
SP-10開発以来蓄積した技術とノウハウを全て投入し、性能比較の基準となる標準原器を目指して開発されたDDターンテーブル。
世界25ヶ国で1300台以上のSP-10mkIIが放送局用として使用されました。
位相制御に水晶発振器を採用し、回転数偏差±0.002%を実現しています。これにより30分のLP演奏後の誤差が±0.036秒という、人間の検知限を超えた値を達成しています。
6kg・cmの起動トルクにより、直径32cm、自重3kg、慣性質量380kg・cm2のターンテーブルが、回転角度25゜、わずか0.25秒で正常回転に達します。
メカニカルなブレーキと逆回転の駆動回路を瞬間的に動作させる電子ブレーキを併用することで、ターンテーブルを回転角度30゜、0.3秒で停止させています。
また、この駆動回路を速度切換えにも動作させ、動作した瞬間に定格速度切換えを可能にしています。
針圧1kgでも回転速度が変化しない、強力な負荷変動トルクを実現しています。
ストロボスコープ用ネオン管点灯にも水晶発振器を内蔵しており、従来なら回転数ごと、電源周波数ごとに必要であった縞目は1列になり、極めて精度の高い回転速度の検出を可能にしています。
ターンテーブルは裏面もゴムシートでカバーすることで防振特性を高めています。
リモートコントローラーが付属しており、瞬時のスタート/ストップが手元で任意に行えます。
機種の定格
型式 | ダイレクトドライブターンテーブル |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
モーター | ブラシレスDCモーター |
駆動方式 | クォーツフェイズロックトコントロール |
ターンテーブル | 直径32.0cmアルミダイカスト製、3.0kg |
回転数 | 33・1/3、45、78.3rpm |
起動トルク | 6kg・cm |
起動特性 | 0.25秒で定速回転(33・1/3rpm時) |
負荷変動 | 5kg・cm以内0% |
回転数偏差 | ±0.002%以内 |
ワウ・フラッター | 0.025%W.R.M.S(JIS C5521) |
SN比 | 78dB(IEC98A weighted) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 16W |
外形寸法 | 本体:幅368.5x高さ102.5x奥行368.5mm 電源部:幅110x高さ83.5x奥行370mm |
重量 | 本体:9.5kg 電源部:3.8kg |
備考 | プラグを差し込んだ状態ではさらに奥行85mmが必要 |