Technics SU-V7A
¥64,800(1982年発売)
解説
音楽信号再生時のトランジェントクロスオーバー歪をも解消するコンピュータードライブ回路を搭載したニュークラスAインテグレーテッドアンプ。
コンピュータードライブモニターにより、回路の動作状態を一目で確認可能です。
電源onの後、出力トランジスタがいち早く最適状態となるよう、強制的にアイドリング電流(ICQ)を流すプリヒート機能を搭載しています。電源スイッチをonにすると、フロントパネル右下に設けたディスプレイのPreheatのLEDが点滅し、直ちにプリヒート状態に入ります。出力トランジスタは約20秒で理想状態となり、AutoのLEDとComputer
Driveのグリーンサインが点灯し、回路が安定動作状態に入った事を知らせます。
電磁輻射による高域歪を事実上解消したコンセントレーテッドパワーブロックを採用しており、出力段と電源部を巧妙な構成で集中配置させることで、電磁界の悪影響を根本から断ち切っています。
低損失・大容量を誇る新設計の電源トランスと、低損失の大容量電解コンデンサにより、強力な電源回路を構成することで、常に安定した電圧を供給しています。また、大チップサイズ出力トランジスタの採用により、リニアリティを向上させています。
パネル高さ2.5U(1U=43.6mm)のスリムなフォルムを実現するため、出力トランジスタが発生する熱を横方向に分散するヒートパイプ放熱器を採用しています。
マイクロコンピューターを活用した純電子式保護回路を搭載しており、DC漏れやスピーカー端子のショート、異常なアンプ内部の温度上昇などをコンピューターが判断し、リレーでスピーカーを切離します。
フォノイコライザ初段には新開発ローノイズデュアルFET採用の差動増幅器、次段には100dB以上の高ゲインICを使用し、MC基本のハイゲイン設計としています。
ストレートDCアンプ構成を採用しており、M・MCとも入力コンデンサを追放したICLイコライザとしているため、ストレートDC動作時には、フォノ入力は1つのカップリングコンデンサを通過するのみ、ハイレベル入力時はハイゲインのDCアンプでダイレクトにスピーカー端子まで増幅され、忠実な波形伝送が可能です。
100%近いNFBを可能にしたリニアフィードバック回路の効果をトーンコントロール回路にも活用し、メインアンプのNFループを利用したbassと、NF-CR型を採用したtrebleで構成しています。
グラフィックイコライザ、マイクミキシングアンプ、アンビエンスコントローラーなどの外部アクセサリー専用接続端子を搭載しています。
独立型のrec/inputセレクタを採用し、レコードリスニング中にFMエアチェックやテープダビングも可能です。
機種の定格
型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
<Tuner、Aux→SP out総合特性> | |
実効出力(20Hz~20kHz) | 100W+100W(8Ω、0.003%) |
全高調波歪率 | 0.002%(定格出力-3dB、20Hz~20kHz) |
TIM | 測定不能 |
出力帯域幅 | 5Hz~100kHz(THD 0.02%) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.1dB 5Hz~170kHz +0 -3dB |
SN比(IHF-A) | 104dB(ストレートDC) |
残留雑音 | 0.5mV(ストレートDC) |
ダンピングファクター | 80(8Ω) |
負荷インピーダンス | main or remote:4Ω~16Ω |
<その他特性> | |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:170μV/220Ω Tuner、Aux、Tape:150mV/22kΩ |
Phono SN比 | MM:88dB(2.5mV入力) MC:72dB(250μV入力) |
Phono周波数特性 | 20Hz~20kHz、RIAA ±0.5dB |
トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(20kHz) |
フィルター | Subsonic:30Hz、-6dB/oct |
ラウドネスコントロール | +9dB(50Hz、Volume -30dB) |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 137W |
外形寸法 | 幅430x高さ120x奥行362mm |
重量 | 10.0kg |