National/Technics SA-53
¥79,800(1960年代後半頃)
解説
ITL-OTL回路を採用した総合アンプ。
メインアンプ部には、インプット、アウトプットともにトランスを取り去ったITL、OTL回路を採用することで低歪化を図っています。
オールシリコントランジスタ構成を採用しています。さらに、PNPドライバー回路にまでシリコントランジスタを用いることでノイズを低減しています。
プリアンプ部出力用とメインアンプ部入力用の端子を搭載しており、それぞれ単独で使用することができます。
FMチューナー部にFETを採用することで高い感度と選択度を得ています。また、クロスモジュレーションやスプリアス妨害などを解消し、より安定した受信も可能にしています。
さらに、IF段における5段増幅と2段直結リミッターによって外部雑音や妨害電波を防いでいます。
FMマルチプレックス部には耐湿、耐熱特性に優れたセラミックフィルターを採用しており、局間雑音による誤動作を防いでいます。
AMチューナー部の高周波段へフォワードAGCをかけることでトランジスタ式AM受信機の欠点をカバーしています。また、セラミックIFフィルターを内蔵し、その機械共振を利用することで受信帯域を広げ、選択度を高めています。
アンテナにはフェライトアンテナを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオ総合アンプ |
回路方式 | 準コンプリメンタリーSEPP-ITL-OTL |
<メインアンプ部> | |
ミュージックパワー(IHF) | 30W+30W(4Ω) 27.5W+27.5W(8Ω) |
実効出力 | 20W+20W(4Ω) 21W+21W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.5%以下(定格出力時、1kHz) |
出力帯域幅 | 15Hz~70kHz -3dB |
ダンピングファクター | 50(8Ω) |
周波数特性 | 20Hz~90kHz +0 -3dB |
残留雑音 | 2mV以下(8Ω) |
<プリアンプ部> | |
周波数特性 | Aux:30Hz~50kHz ±3dB |
入力感度/インピーダンス | Phono:3mV/47kΩ Aux:230mV/35kΩ Tape:250mV/35kΩ |
SN比 | Phono:65dB以上 Aux:80dB以上 |
イコライザー | (NF型)Phono:RIAA |
トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
ラウドネスコントロール | 100Hz:+7dB、10kHz:+3.8dB |
入力端子 | MAG、Ceramic、Aux、Tape FMアンテナ端子 AMアンテナ端子 |
出力端子 | ヘッドホン、Tape スピーカー(2系統) ACコンセント |
DINコネクター | 1系統 |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度(IHF) | 1.8μV |
歪率 | mono:0.5%以下(400Hz、100%MOD) |
SN比 | 60dB以上(1kHz、100%MOD) |
イメージ妨害比 | 80dB以上(84MHz) |
ステレオセパレーション | 40dB以上(1kHz) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 525kHz~1,605kHz |
感度(IHF) | 20μV |
SN比 | 60dB以上 |
イメージ妨害比 | 60dB以上(1,000kHz) |
アンテナ | フェライトアンテナ |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:51個 FET:2個 ダイオード:29個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 120W(最大出力時) |
外形寸法 | 幅500x高さ129x奥行357mm |
重量 | 12.5kg |