オーディオの足跡

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V-7000の画像
 解説 

Vシリーズのアドバンスドモデルとして開発されたカセットデッキ。

ヘッド部には3ヘッド構成を採用しており、録再ヘッドにはCA(コバルト・アモルファス)ヘッドを採用しています。
CAヘッドは電磁変換特性と硬度などの耐摩耗性を両立した優れた特性に加え、アモルファスの非結晶構造を生かして14層に薄膜積層化する事で渦電流損失を抑えて高域特性を向上しています。また、内部捲線にはPCOCCを採用しており、より忠実な電磁変換を可能にしています。
ヘッドベースには亜鉛合金ダイキャストベースを採用しており、わずかな振動がヘッド部に影響を及ぼすのを抑えて変調ノイズを低減しています。また、常にヘッドを正確に位置決めする事でアジマス角度や高域特性、位相特性を長期間にわたって高い精度で維持します。

走行メカニズムにはクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しています。
ヘッドの両側に配置した2組のキャプスタンとピンチローラーがテープテンションを一定に保つとともに微振動などの外部からの影響を排除する事で優れた走行特性を実現しています。さらに、左右のピンチローラーの径をわずかに変える事で回転系の周期的変動をキャンセルし、ワウフラッターを大幅に低減した周波数分散型としています。また、キャプスタンはサブミクロンオーダーの精密なエッチング処理を施し、テープのグリップ力を大きく高める事でテープスリップを防止しています。
駆動モーターにはクォーツPLL DDモーターを採用しています。
キャプスタンモーター軸には高精度大型フライホイールを搭載しており、慣性質量を大幅に増大する事で安定した回転を確保しています。


ミッドシップマウント方式を採用しています。
この方式ではテープ走行メカニズムを構造的にも視覚的にも安定性の高い中央に配置する事で重量配分の偏りを無くし、シャーシの歪などの発生を大幅に減少しています。また、脚部から離れた位置となるため外部振動が伝わりにくく、その影響を少なく抑えています。

メカニズム専用シャーシを採用しており、ボトムシャーシとの強固な二重構造によってメカニズム部分の剛性を大きく向上し、外部振動の影響を排除しています。

シャーシ構造にはスーパーハイリジットシャーシを採用しています。
メカニズム部専用シャーシに加えて独立したサイドシャーシ、フロントとリア部をムスブセンターシャーシを採用しており、底面全体を支えるボトムシャーシ上にしっかりと組み上げています。その上で肉厚の風呂とパネルとリアのパネル、逆U字のトップパネルで強固に一体化する事で高剛性化し、前後左右あらゆる方向からの振動による影響を排除すると共にねじれやたわみの発生を防いでいます。
また、V-7000ではトップパネルを5箇所でネジ止めすることで僅かな共振も排除し、さらにサイドパネルとインシュレーターには音速が早く内部損失が高い特殊セラミックなどを複合した高比重素材を採用しており、剛性を高めています。

内部構造にはセパレートブロック構造を採用しており、入力部、コントロール部、アンプ部、ディスプレイ部、メカニズム部をシールドし、各セクション相互の電気的、物理的な干渉を排除しています。

アンチスタティックカセットスタビライザーを装備しており、ハーフ全体を強力に圧着してローディングする事で有害な微振動を徹底して排除しています。
さらにアーム部は2mm厚アルミの2層構造とし、カセットホルダー部は1.6mm厚の鋼板で高剛性化しており、共振を抑える耐振構造とともにホルダー部のたわみなどの変形を防止しています。
また、テープ走行によって生じるハーフの帯電によってヘッド周辺部に埃を引き寄せ、ドロップアウトやテープの傷が発生するのを防ぐため、独自の帯電防止構造を採用しています。アンチスタティックカセットスタビライザーは常にハーフに圧着する高導電性の特殊パッドを装備しており、静電気を逃がしてハーフの帯電を防ぎ、トラブルの発生を減少しています。

トライアングルカセットサポートシステムを採用しています。
カセットハーフは構造上わずかに反りが出ます。そのため4ポイントで押さえる一般的な方式ではいずれか1か所が浮いてしまう可能性があり、ガタツキによる振動の原因となります。トライアングルカセットサポートシステムでは最も有効な3点で確実に支持する事でガタつきを解消し、しっかりとハーフをホールドします。

パワーローディング機構を搭載しており、カセットローディング部の開閉には専用モーターを使用しています。
一定の力で開閉するために確実で安定したテープローディングが可能です。


再生系アンプは2電源、ダイレクトカップリング方式による全段モノラルオールDC構成を採用しています。これにより左右の干渉を抑え、セパレーションや位相特性に優れた再生を実現しています。
また、ヘッドアンプ部も入力カップリングコンデンサを排除したFET差動入力DCアンプとして低域のノイズ特性を大きく改善しています。

バイアスとレベルの左右完全独立調整機能を搭載しています。
調整時は自動的にメータースケールが変わり、内蔵発振器を用いた正確な調整が可能です。

210kHzのハイバイアス回路を採用しています。
従来の100kHz程度のバイアス信号周波数では入力信号の高調波成分と干渉してビートノイズや混変調歪を起こす可能性がありましたが、これを防いでいます。

回路部は線材を極力減らした最短経路設計となっており、線材の引き回しによる音質劣化やノイズ干渉を抑えています。
特に録音ボリュームと入力端子は直付け構造とし、入力信号はダイレクトにラインアンプ部に送り込まれます。

録音レベルボリュームは∞~0dBで正確なコントロール特性を得られるよう調整されたカスタムメイドのユニットを採用しており、左右の厳密なレベル管理によって録音レベルによる位相の変化を極力抑え込んでいます。

電源部はメカニズムと録再アンプがトランス捲線からそれぞれ独立した構成を採用しており、干渉を抑えた電源供給を実現しています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C NRを搭載しています。
録音基準レベルはDIN250nwb/mで録音マージンをさらに拡大しています。

ドルビーHXプロを搭載しており、テープの高域録音能力を拡大しています。

電源コードには極性表示付きOFC材による大容量タイプを採用しています。また、操作の感触にも拘った録音ボリュームや劣化の少ない金メッキ端子、カスタムメイドのオーディオ専用コンデンサ、電源コンデンサなどの高音質パーツを採用しています。


ディスプレイ部にはレベルや録音モード情報が独立した視認性の高いダブルFLディスプレイを搭載しています。
レベルメーターには-40dB~10dBまでのワイドスケールレベルメーターを採用しています。
また、ディスプレイON/OFF機能を搭載しています。

デジタルピークマージン表示機能を搭載しており、瞬時のピーク値を正確にdB表示できます。

テープ走行量を時間で表示するリニアカウンターを採用しています。

±15曲のCPS自動選曲機能を搭載しています。

CDダイレクト入力を搭載しており、バランス調整ボリュームをパスしてストレートな録音が可能です。

リターンtoゼロ機能を搭載しており、カウンター0000位置に巻き戻した後にSTOP/PLAY/PLAY-PAUSEの指定が可能です。

CDレベルチェック機能を搭載しています。

オートモニター、オートテープセレクター、オートRECミュート(4秒)を搭載しています。

CDプレイヤーとシンクロ録音が可能なCDシンク機能を搭載しています。

ゴールドとブラックの2色のカラーバリエーションがありました。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 カセットデッキ
ヘッド 録音・再生:PCOCC高硬度パーマロイコンビネーションヘッド
消去:フェライトヘッド
モーター キャプスタン用:DCサーボモーター
リール用:DCモーター
メカニズム用:DCモーター
ワウフラッター 0.027%(W.RMS)
±0.048%(W.Peak、EIAJ)
周波数特性(EIAJ) 15Hz~21kHz ±3dB(メタルテープ)
15Hz~20kHz ±3dB(クロームテープ)
15Hz~18kHz ±3dB(ノーマルテープ)
SN比 60dB(NR off、EIAJ)
70dB(ドルビーB NR on、5kHz以上)
80dB(ドルビーC NR on、1kHz以上)
早巻時間 約85秒(C-60テープ)
入力感度/インピーダンス ライン:60mV/50kΩ
CDダイレクト:110mV/50kΩ
出力 ライン:0.44V/50kΩ
ヘッドホン:8Ω
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 18W
外形寸法 幅435x高さ149x奥行355mm
重量 約8kg
付属 ワイヤレスリモコン