STUDER A730
¥950,000(1988年発売)
解説
PHILIPSのCDノウハウとSTUDERの精密加工技術によって誕生したCDSシリーズの業務用CDプレイヤー。
業務用CDプレイヤーとして、堅牢でロングライフ運転を保証するトランスポート・メカニズムを採用しており、12cmと8cmディスクをアダプター無しで使用でき、それぞれのディスクに最適なアクセス動作をします。
ローディング機構は再生中はメカニカル・ロックがされます。
メカニズム部には、Philips製のロングライフ、メンテナンス・フリー、プラッシュレス・ホール素子モーター使用のCD-ROM用トランスポートが使用されています。このプレイヤーメカニズムはダイカストアルミニウム合金で作られており、安定した動作を実現しています。
また、ラジアル・レーザー・リードアウト機構と、全方向バランス型低質量ピックアップ・アームによって高速アクセスが可能になり、対振動/ショックに強い特性を実現しています。
メカニズム部は防振装置を経由してあるミ・ダイアkスト製フロントパネルに取り付けられています。これによりメカニズムの交換が必要な時に素早く対応ができます。また、モジュラー構造とプラグインコネクターにより、メンテナンス性を向上させています。
キーボード、LED、ディスプレイ及び関連PCBは、フロントパネルの裏側に取り付けられています。
また、電源部、デジタル・シグナル・プロセッサー、D/Aコンバーター、ライン・アンプ及びリモコン用シリアル/パラレル・インターフェースは本体底部に取り付けられています。
デジタル回路には、Philips製ICによるデジタル・フィルター及び16ビット・4倍オーバーサンプリング回路を使用しています。また、D/Aコンバーターにはリニアリティの高い選りすぐりの素子を使用しています。
高速アクセスを可能にし、最適なエラー補正を可能にするため、別個のマイクロプロセッサーを使用しています。
操作部には、新しく開発された、サーチとメモリーのためのアルゴリズム(FTS)による正確なキューイングを搭載しています。
また、内蔵スピーカーによるMONOモニター、ヘッドホンによるモニターが可能なB
Stereo、外部モニターへの出力ができるC Stereoの3種類のモニター機能を搭載しています。
リモートコントロールのON/OFFが可能なREMOTE、フェーダー・スタートのON/OFFができるFADER
PLAY、選択された曲を演奏した後に自動的にポーズモードに入るAUTO PAUSE、CDのあるトラックを選択した時に真の曲順を自動的に探し出しその位置をストアできるAUTO
CUE、演奏スピードを0.2%ステップで±10%可変させることができるVARI SPEEDなどの機能を搭載しています。
フレーム精度のプロフェッショナル・キューイングを搭載しており、曲のスタート位置あるいはキューポイントを、簡単・正確にキューダアルで探し出す事ができます。また、必要に応じてキューイング操作中にラインアウトをミュートさせることもできます。
これらスタート及びキューポイントを、直接TIMEボタンから、分、秒、フレーム単位でも打ち込む事が可能です。
セットされたキューポイントは、START REVIEWボタンでディスプレイウインドウに表示させることができます。
CUE MEMORY機能を搭載しており、CUE 1、2、3ボタンで一枚のCDあたり3個所までのCUEポイントを記録でき、いつでもボタン1個で呼び出すことが可能です。セットされたキューポイントは、いつでもSTART
REVIEWボタンでディスプレイ・ウインドウに表示させることができます。
CDディスクの識別と記録されたCUEポイントは、CDディスクを取り換えても、また電源が切られても保存されます。また、100枚までのCDを識別し、1枚につきスタート及びエンドキューポイントをそれぞれ3個所まで記憶できます。
プロ用として、XLRコネクター(バランス型オーディオ並びにデジタル出力)、BNCコネクター(クロック入出力)、RCAフォンジャック(Hi-Fi出力及びモニター出力)、D-Subコネクター(リモートコントロール用)などを搭載しています。
また、デジタル出力端子(コンシューマー・フォーマット)及びクロック入力端子を使用してディスクの内容をデジタルコピーすることや、RS232あるいはRS422端子を通じて、PCあるいはシンクロナイザーでコントロールすることも可能です。
外部ターミナルや、プロの現場で必要な信号にアクセスするための、15-Pin D-subコネクターを搭載しています。
モーメンタリー動作のプッシュボタンで駆動できるplayやpause制御信号(ターリー・バック付)、音楽の終わりを警告し、ON-AIR中を表示するなどの信号システムも用意されており、これらはすべてオプティカルアイソレーターで電気的に絶縁されています。
CDSシリーズの機器はリモート端子が全て共通なため、A727型で使用されているリモコン装置はそのままA730で使用できます。ベーシックなリモコン装置でコントロールできる内容はPlay/Pause/Locate/Previous及びNext
Trackで、Play/Pause及びAuto Pause機能のターリー・バック・ステータスが表示されます。
より高級なリモコン装置には、LEDディスプレイとよりすばやいTRACK選択のできるPrevious及びNextボタンを装備しています。ディスプレイに表示される時間は、CDプレイヤー側で選択されたものに従い、フェーダースタートをより正確にするためのCUEポイントを集成するためのStart
Reviewボタンも搭載されています。
別売りで、木製サイドパネル、トランス無しラインアウトプットアンプ、リモートコントロールモジュール、リモートコントロールケーブルなどがありました。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
チャンネル数 | 2チャンネル |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.1dB |
高調波歪率 | 0.006%(20Hz~20kHz) |
SN比 | 106dB(IEC 179A weighted) 100dB(20Hz~20kHz、linear) |
チャンネルセパレーション | 90dB(10kHz) |
出力レベル | 固定出力:2.5V/500Ω以下 可変出力:0~2.5V/500Ω以下 ライン出力:15dBm/600Ω ヘッドホン出力:4.5V/50Ω |
チャンネルバランス | 0.2dB以下 |
フェーズリニアリティ | ±1.0゜(measured over line-out、incl.transformers) ±0.5゜(measured over unbal.cinch-out) |
mono compatibility | trough separate D/A converters |
サンプリング周波数 | 44.1kHz ±10% |
量子化ビット数 | 16ビットリニア |
レコーディングレート | 4.3128Mbit/s |
D/A変換 | 4倍オーバーサンプリング、16ビット |
キュー精度 | ±1Frame(±13.3msec) |
サーチタイム | 3s以下(random location) |
SMPTE/EBU bus | serial RS422/RS232 |
パラレルリモートコントロール | 25pin remote control socket with fader start input |
電源 | AC100V~140V、200~240V±10%、50Hz/60Hz |
最大外形寸法 | 幅320x高さ131x奥行355mm |
重量 | 6.0kg |