オーディオの足跡

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TC-K555ESJの画像
 解説 

ドルビーSを搭載したESJシリーズの最上位モデルにあたるカセットデッキ。

TC-K555ESJには、シールドケース入り大型トランスや銅メッキシャーシ、鋳鉄インシュレーターが採用されています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーS NRを搭載しています。ドルビーS NRはプロ用機器で使用されていたドルビーSRをもとに民生用に新たに開発されたノイズリダクションシステムで、高域で24dB、低域で10dBのノイズ低減効果を実現しています。
ESJシリーズでは、ドルビー研究所が開発し、ソニーがチップ化したドルビーS ICをベースに、さらに高密度実装技術によって周辺部品とともに1つにモジュール化したものを採用しています。これにより、高音質化と低コスト化を同時に実現しています。

メカニズム部には、サイレント&クイックアクションのメカデッキをさらに高精度化するため、Lapis(サファイアキャプスタンベース方式)を採用しています。このメカニズムでは、軸受けに高硬度・低摩擦係数のサファイアを使用しており、特にTC-K555ESJではテクアップ側に加えてサプライ側にも使用することで高い剛性と耐久性を実現しています。
また、回転ムラの少ない3相リニアトルクBSLモーターの採用と相まって、安定したテープ走行性能を確保しています。

ヘッドの基台となるヘッドベース材に、剛性の高い亜鉛ダイキャスト(ベリック)を採用することで不要振動を排除しています。また、アジマス精度を的確に維持することで良好なチャンネル間の位相特性を実現しています。

モーター部の基台に、モノコック構造の亜鉛ダイキャスト(ベリック)ベースを採用しており、音圧などの外部振動によって発生する変調ノイズを低減しています。また、モーター部と基台の一体構造により、高精度・高安定の回転性能を得ています。

テープヘッドを中心に、テイクアップ側とサプライ側の双方にキャプスタンとピンチローラーを配置し、テープ走行を安定させるクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しています。これにより、ワウ・フラッター特性の向上に加えて、テープ揺れによる変調ノイズの低減を実現しています。
また、キャプスタン駆動には回転ムラが少ない3相リニアトルクBSLモーター搭載によるダイレクトドライブ方式を採用しており、さらにクォーツロックサーボを導入することで優れた特性を実現しています。

録音アンプ/再生アンプを独立の基板にまとめ、上下2段に配置することで相互干渉を抑えています。
また、全段ツインモノラルDCアンプ構成の採用により、チャンネル間の干渉も抑えています。

オーディオ信号伝送の高品位化を徹底するため、録音アンプと再生アンプの各回路基板に、結晶境界が大幅に少ない高純度OFC(無酸素銅)基板を使用しています。さらに、膜厚を70μmと、従来の2倍の厚みにすることで高品質化を図っています。

純度99.997%以上の無酸素銅で、結晶粒界の殆ど無い単結晶状のESC-OCC線材を要所に使用することで高品位な信号伝送を実現しています。

信号経路にコイルやコンデンサーを介さないアクティブ型のGICバイアスフィルターを採用することでバイアス信号を効果的に排除しています。

再生イコライザーアンプの信号増幅をディスクリートFET+OPアンプの2段構成としています。
初段のFETでノイズを抑え、次段のOPアンプで信号を増幅することで、高音質とローノイズの両立を図っています。

システムコントロール系の信号伝送に、低消費電力動作が可能なC-MOSバッファを使用しています。
これにより信号の電流値を1/10000程度に抑え、オーディオ信号への悪影響を防いでいます。

ミッドシップドライブ・システムを採用しており、メカデッキと電源部をシャーシ中央に配置し、その左右両サイドにコントロール回路部とオーディオ回路部を分離配置することで、4個の脚部にほぼ均等な重量がかかる良好なウェイトバランスを実現しています。
また、シャーシ内部を3分割するインナーシャーシを採用することで、トータルの剛性を高めるとともにブロック間の電磁気的干渉を排除しています。

カセットホルダーに高剛性・高比重のファインセラミックコンポジット材を採用しており、高い剛性によって不要振動を低減しています。また、カセットリッドにアルミ押し出し材を使用することでさらなる精度アップを図っています。

カセットスタビライザーを採用しており、テープがメカデッキに装填されると同時に、カセットドアの内側に設けられたスタビライザーがカセットハーフをしっかり固定し、テープの振動を抑え込みます。
特にESシリーズでは、フリーアクションのホールディングアーム、スタビライザーには新素材ソルボセインを採用し、有害な振動を吸収することで変調ノイズの発生を防止しています。

ヘッドには、コアにアモルファス合金を使用し、ヘッド巻線に高純度無酸素銅PC-OCCを使用したPC-OCC巻線レーザーアモルファスヘッドを採用しています。

パッドプレッシャーリダクション方式を採用しており、ヘッドの表面に凸状のせり出し部分を設け、これがテープ走行方向左右のパッド両端部に当るようにすることで、余分なパッドの圧力がかからないようにしています。
この方式はクローズドループデュアルキャプスタンのメカデッキに特に効果的に働き、ループ内のテンションコントロールを主体とした理想的なテープコンタクトを実現することで、モジュレーションノイズを低減しています。

ドルビーHXプロを搭載しており、実効バイアス量を1/1000秒単位で最適値にコントロールすることでオーバーバイアスを防ぎ、高音域のリニアリティを改善しています。
また、ドルビーHXプロは録音時にのみ働くため、録音したテープはどのデッキで再生しても効果を発揮します。

スーパーバイアスを採用しており、バイアス信号の周波数を大幅にシフトアップすることでオーディオ信号との周波数差を拡大し、相互干渉によるビートノイズや混変調歪を抑えています。

内蔵のオシレーター(発振器)により、使用するテープに合わせてバイアス値を約±20%の範囲で微調整できるバイアスキャリブレーション機能を搭載しています。
また、テープ感度による録音・再生のレベル差を無くす録音キャリブレーション機能を搭載しています。

電源ケーブルには、耐久性にも優れたキャプタイヤケーブルを採用しています。
このケーブルには極性表示が付いており、他の機器との極性合わせが行えます。

ソニーのリモコン対応CDプレイヤーを組み合わせることで、CDシンクロ録音が可能です。

FL管を採用した電子カウンターを搭載しています。分秒表示のリニアタイプで、残り時間がわかりやすい減算機能付きとなっています

再生時の操作をシンプル化したオートモニター機能を搭載しており、プレイボタンを押すと自動的にSourceポジションからTapeポジションに切替ります。さらに、オート/マニュアルの選択が可能です。

音楽信号のピーク値表示とピークホールド機能を装備したピークレベルメーターを搭載しています。

ディスプレイモードスイッチを搭載しており、全点灯/カウンターのみ部分点灯/消灯の3モードに切替えが可能です。

AMS(オートマチックミュージックセンサー)を搭載しており、前後の曲の頭出しが簡単に行えます。
さらに、ESシリーズではワンタッチ操作タイプにすることで使いやすさを向上しています。

オートスペースREC MUTE機能を搭載しており、録音時もしくは録音ポーズ時にREC MUTEボタンを押すと、自動的に約4秒間無音状態を記録し、その分だけテープを送って一時停止します。

パワーローディング機構を採用しており、カセットドアを閉じずにプレイ/早送り/巻戻しなどの操作ボタンを押すと、自動的にカセットがメカデッキにローディングされ、各動作モードに移行します。
この一連の動作はリモコン操作時にも同様に行えます。

ゴールドとブラックの2種類のバリエーションがありました。

各色のモデルに対応したワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 カセットデッキ
形式 4トラック2チャンネル
ヘッド 消去:1
録音:1
再生:1
モーター リニアトルクBSL D.D.モーター:1
DCモーター:2
SN比 57dB(EIAJ、Dolby off、ピークレベル、メタルテープ)
80dB(Dolby NR S、ピークレベル、メタルテープ、聴感補正)
周波数特性 15Hz~22kHz ±3dB(EIAJ、-20dB録音、メタルテープ)
15Hz~16kHz ±3dB(-4dB録音、メタルテープ)
ワウ・フラッター
(EIAJ)
±0.04%Wpeak
0.022%WRMS
歪率 1.3%(第3次高調波歪率、基準録音レベル250nWb/m、315Hz正弦波、メタルテープ)
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 26W
外形寸法 幅470x高さ145x奥行380mm
重量 13.6kg
付属 ゴールド:ワイヤレスリモコン RM-J703
ブラック:ワイヤレスリモコン RM-J701