SONY TC-FX707R
¥79,800(1983年11月発売)
解説
カセットデッキ初のデジタルレベルモニターを搭載した録再オートリバースカセットデッキ。
デジタルレベルモニターを搭載しています。
これはオートアッテネーターOFFモードで録音時に、テープの推奨録音レベルを入力レベルが超えた時、そのオーバー分を1dB単位でデジタル表示します。これまで勘に頼っていた録音レベル設定を1dB単位で正確にセットできます。
オートアッテネーター機能を搭載しています。
録音時及び録音ポーズ時に、テープの推奨録音レベルを入力レベルが超えた時に、そのオーバー分を自動的に減衰します。録音し直しのきくソースの録音では、録音ポーズ状態で少し高めだと思われるレベルに仮セットし、いったんならし演奏することで自動的に最適値までレベルを下げます。それからソースの頭に戻って録音を開始する事で、全体にわたってテープのダイナミックレンジをフルに生かした録音が可能です。
ロートバイラテラルヘッドによる録再オートリバース機構を搭載しています。
この方式では1個のヘッドをリバースする瞬間に180度反転する事で往復とも同一のヘッドでの録音/再生を行います。これにより、4ギャップのヘッドを使うもののように、正方向から逆方向に移って使用ヘッドギャップが切り替わることによる音質変化がありません。
ヘッドの支持には特殊亜鉛合金を使用しており、さらに回転部には精密ベアリングをヘッドベースと一体化させる事でガタのほとんど無いゼロクリアランス設計を行い、両方向で良好なヘッド支持を実現しています。
ディレクションモードスイッチを搭載しており、片面だけの録再、両面にわたる録再、両面の連続再生モードが選択できます。
両面連続再生モード時にテープオペレーションでBLANK SKIPが選択されていると、両面にまたがった動作を行います。これによりテープエンドに無信号部が残っているテープでも間を気にしない連続演奏が可能です。
クイックリバースには赤外線センサーを採用しています。
ヘッドの終端のリーダーテープ直前で反転させる事が可能となり、音切れ時間約0.5秒を実現しています。
留守録音などの直接操作できない時でも音切れ時間を最小限に留められます。
録再ヘッドにはレーザーアモルファスヘッドを採用しています。
このヘッドは結晶構造を持たないアモルファス磁性合金をレーザー加工技術を応用して作り上げたもので、優れたSN比と周波数特性を獲得しています。
カセットスタビライザーを搭載しています。
これによりカセット装着時のガタツキを抑えモジュレーションノイズを防いでいます。
カウンターにはテープの走行料を分秒単位でデジタル表示するリニア電子カウンターを採用しています。
さらに、プリエンドウインカーを搭載しており、録音時にテープの残量が数分間になるとカウンターが点滅して知らせます。
オートフェーダー機能を搭載しており、フェードイン/アウトがワンタッチで行えます。
オートテープセレクターを搭載しており、ハーフの検出孔を利用してテープのタイプに合ったバイアス/イコライザーを自動設定します。
検出孔の無いカセットにも対応できるよう強制切替えボタンも搭載しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーBタイプに加えてCタイプを搭載しています。
ICには新開発のシンメトリープロセスドルビーICを使用しています。ドルビー回路がONになると自動的にMPXフィルターもONとなり、FM放送のパイロット信号よってドルビーが誤動作するのを防ぎます。
ピークプログラムメーターを搭載しています。
ピーク値を約4秒間保持するオートリセット式ピークホールドと、刻々と変化するレベルを同時に表示するダブルインジケーション方式となっています。
オーディオメモリー機能を搭載しています。
この機能では、録音レベル、左右チャンネルの録音バランス、ラインアウト/ヘッドホンレベル、ドルビーノイズリダクションシステムのOFF/B/C、オートアッテネーターのON/OFFの5項目がメモリー可能となっています。
メモリー容量は各テープポジション毎にA/Bの2メモリー、合計8メモリーまで記憶可能です。
デジタルレベル表示機能を搭載しており、Rec Level、Rec Bal、Line out/Phoneを切替えて表示できます。
Rec levelは録音レベルを、Rec balは差を1dBステップで表示します。Line out/Phonは再生時の出力レベルとヘッドホンの音量レベルを2dBステップで表示します。
ボリューム部には電子ボリュームを採用しています。
リチウム電池バックアップ形式を採用しており、AC電源を切った時点のディスプレイ情報がテープカウンター値も含めて記憶されます。
テープ再生に便利な頭出し(1曲AMS)やミュージックスキャンを搭載しています。
ファンクションメモリーを搭載しており、再生/巻き戻し/早送り/カウンターリセットの4ボタンを最大8ステップまでメモリーできます。
オートスペース付きRec Mute機構を搭載しており、無信号部を作って録音ポーズに移るため、曲間の揃ったテープが作れます。
タイマースタンバイ機構を搭載しています。
別売りのワイヤードリモコンRM-70を接続することでデッキを離れた位置からコントロールできます。
また、シンクロリモコンユニットRM-65を組み合わせることでソニーのプレイヤーシステムと組合せたシンクロ操作が可能dえす。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
ヘッド | 録再:レーザーアモルファスヘッド 消去:F&Fヘッド |
モーター | キャプスタン用:DCサーボモーター リール用:DCモーター |
SN比 | 56dB(EIAJ、Dolby off、ピークレベル、Metallicカセット) 59dB(JIS、Dolby off、ピークレベル、Metallicカセット) 72dB(JIS、Dolby C on、ピークレベル、Metallicカセット) |
周波数特性(EIAJ) | 30Hz~17kHz ±3dB(Metallicカセット) |
周波数範囲(EIAJ) | 20Hz~19kHz(Metallicカセット) |
ワウ・フラッター(EIAJ) | ±0.06%WPeak 0.04%WRMS |
歪率(EIAJ) | 0.5%(Metallicカセット) |
入力端子 | マイク、Line in、リモコン |
出力端子 | Line out、ヘッドホン |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 26W |
外形寸法 | 幅430x高さ105x奥行275mm |
重量 | 6.2kg |
付属 | 接続コード ヘッドクリーニング棒 |
別売 | リモコンユニット RM-70(¥7,000) シンクロリモコンユニット RM-65(¥3,000) |