SONY SDP-505ES
¥95,000(1986年頃)
解説
デジタルディレイやドルビーサラウンドを搭載したデジタルサラウンドプロセッサー。
ディレイ回路にデジタル方式を採用するとともに、その中枢となる半導体素子に自社開発のものを採用しています。
オーディオ信号の遅延をはじめ、各サラウンド・ポジションに応じたマトリックス合成もデジタル回路で処理しています。
この結果アナログディレイに起こりがちなディレイ音の位相回転も発生せず、定位感にすぐれたサラウンド効果を得ています。
ICには新開発のC-MOSIC、高速デジタルプレゼンスシンセサイザー「CXD-1079」を採用しています。
これは、乗算器、加算器などの演算部と、周辺ICとのインターフェースを全て内蔵したもので、各種RAMとの組合せで音場効果を得るための実時間高速デジタル信号処理を可能にしています。
また、1チップ化したことにより、デジタルオーディオ機器で問題となるデジタルノイズや不要輻射を大幅に低減しています。
A/DおよびD/Aコンバーターには、量子化ビット数16ビット直線、標本化周波数44.1kHzの積分型を採用しています。
ディレイタイム(遅延時間)の調整は、LR独立に、0~90msec(ドルビーサラウンド再生時は10~30msec)の範囲で0.1msecステップのコントロールを可能にしています。
これは、音速換算で3~4cmごとの細かさで、音場空間の広がりや距離感を自在に演出出来ます。
また、調整したディレイタイムを最高3タイプまで記憶しておくことができ、ワンタッチで呼び出せます。
もう一組のアンプとスピーカーを用意することでプレゼンスディレイを楽しむ事ができます。
プレゼンスディレイでは、プレゼンス用のスピーカーを壁や天井の隅など反射面の多い方向へ向けて設置し、初期反射音を再生させます。
初期反射音はディレイタイムを設定することで細かいコントロールが可能で、音量レベルやバランスも調整が可能です。
デジタルディレイ回路によるドルビーサラウンド・ポジションを装備しています。
20W+20Wのパワーアンプを内蔵しているので、小型スピーカーをリアにセットするだけで、サラウンド再生が可能です。
ドルビーサラウンド再生時も、ディレイタイムを0.1msecステップで調整が可能です。
その他のサラウンドポジションとしてマトリクス再生やホール再生などを搭載しています。
機種の定格
型式 | デジタルサラウンドプロセッサー |
量子化ビット数 | 16ビット直線 |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
ディレイタイム | 0~90msec、0.1secステップ、LR独立 (ドルビーサラウンド時:10~30msec) |
入力レベル | 250mV(Line In) |
出力レベル | Front Out:250mV Surround Out:250mV Center Out:250mV(Low)、1.7V(High) |
最大出力レベル | Surround Out:3V Center Out:7V |
高調波歪率 | 0.008%以下(1kHz、3V) |
ダイナミックレンジ | 90dB以上 |
周波数特性 | Surround Out:5Hz~20kHz、+0 -3dB Center Out:10Hz~100kHz、+0 -3dB |
実用最大出力 | 20W+20W(EIAJ、8Ω) |
定格出力 | 16W+16W(1kHz、0.05%、8Ω) |
外形寸法 | 幅470x高さ86x奥行350mm |
重量 | 8.3kg |