SONY TA-F222ESA
¥49,800(1991年発売)
解説
ESアンプの設計思想を継承して開発されたプリメインアンプ。
無振動・無共振設計を追及するため、シャーシ構造にGシャーシを採用しています。
Gシャーシの素材は、大理石の主成分である炭酸カルシウムを不飽和ポリエステルに加え、グラスファイバーで強化して使用しています。この素材は金属に比べて内部損失が大きく、優れた振動減衰特性を持ち、さらに強度が高く高精度な加工も可能という特長を持っています。Gシャーシでは、これを音響的に検討した形状に一体成型しており、強固なシャーシ構造を実現しています。
また、非磁性・非金属性というメリットから、トランスやコンデンサーなどの磁界で誘発される電磁歪や渦電流発生が無く、音質劣化の減少にも成功しています。
ESアンプでは、Gシャーシをベースに、各パーツの実装時に一段と剛性化する構造を採用しています。また、オーディオ回路のプリント基板やパワートランスなどの主要パーツはGシャーシに直付けして強固に固定しています。さらに、フロントシャーシ、端子パネル、ケースをGシャーシの上の要所要所に連結アングルを入れて相互に補強し合うように取り付けてあります。これにより強固なシャーシ構造を実現し、不要振動による音質劣化を低減しています。
ヒートシンクには、アルミダイキャスト製両面フィン型を採用しています。
電源部にはS.T.D.電源(Spontaneous Twin Drive)を採用しています。
この電源回路では、パワーアンプ部への整流回路をAクラス段用とパワー段用に分離しており、Aクラス段とパワー段の干渉を抑える事で音質改善を図っています。
信号経路を大幅に短縮するダイレクトリンクシステムを採用しています。
ACラインからノイズ混入を防ぐESフィルターを搭載しています。
パワーアンプ部には、出力段のスイッチング歪やクロスオーバー歪を広帯域にわたり大幅に減らすS.L.L.(スーパーレガートリニア)方式を採用しています。
ローノイズFETを使用したイコライザーアンプを搭載しています。
トーンコントロール回路などをバイパスし、余計な回路を通さずに直接入力できるソースダイレクトスイッチを搭載しています。
また、インプットセレクターを経由せずに最短経路での接続が可能なダイレクトIN端子を搭載しています。
再生中のソースに関わらず独自に録音ソースが選択できるRec outセレクターを搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
実効出力(20Hz~20kHz) | 120W+120W(4Ω) 100W+100W(6Ω) 90W+90W(8Ω) |
出力帯域幅 | 10Hz~80kHz(45W出力、高調波歪率0.02%、8Ω) |
高調波歪率 | 0.003%(10W出力時、8Ω) |
混変調歪率 | 0.004%(定格出力時、8Ω、60Hz:7kHz=4:1) |
周波数特性 | Phono MM:RIAAカーブ±0.2dB Line系:2Hz~200kHz +0 -3dB |
SN比 | Phono MM:95dB Phono MC:68dB Line系:105dB |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ Phono MC:170μV/100Ω Line系:150mV/20kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Rec out:150mV/1kΩ Headphone:25mW/8Ω |
トーンコントロール | Bass:±7dB(100Hz) Treble:±6dB(10kHz) |
適合スピーカーインピーダンス | 4Ω~16Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 215W |
外形寸法 | 幅430x高さ150x奥行375mm |
重量 | 14.0kg |