OPTONICA RT-3050
価格不明(1975年頃)
解説
前面操作方式を採用したステレオカセットデッキ。
好きな曲をワンタッチで自動選曲できるAPLD(Auto Program Locate Device)機構を搭載しています。
APLDは、デジタルIC8個とトランジスタ6個で構成されたミニ計算機で、テープ走行スタート位置からストップさせる曲までの曲数ボタンを押す事によって演算回路が働き、数字表示管に曲数を示しながら自動的に選曲できます。
スタート位置から4曲目を聞きたい場合は、再生せずに飛ばす曲数3の数字ボタンを押してテープを早送りさせます(巻戻しの場合は4の数字を押します)。また、曲数を訂正したい時は通過曲数を確かめたうえで訂正したい曲数の数字ボタンを押します。
途中でAPLDをキャンセルしたい場合はクリアーボタンを押すと停止できます。
メカニズム部には2モーター方式を採用しており、キャプスタンモーターには回転偏差の改善を図ったDCサーボモーター、リールモーターにはハイトルクのDCモーターを採用しています。
さらに、直径76mm、重量222gの大型フライホイールと、西ドイツシュマーグ社製の高精度キャプスタンシャフト(真円度0.1μ以下)を採用することで、優れたワウフラッターを実現しています。
スペースポーズ機構を搭載しており、曲と曲の間に自動的に4秒間の無信号部分を作る事ができます。
応答速度10msのピークレベルメーターを搭載しています。
このメーターは復帰時間を1秒と長くとっており、素早く応答するレベルを読み取りやすくしています。
バイアスとイコライザが独立した3段切換式のテープセレクターを搭載しています。
テープが早送りや巻戻しの高速走行から急速停止した時に傷むのを防ぐため、回転式ブレーキ機構を搭載しており、テープテンションを一定に保っています。
さらに、動作検知型誤消去防止機構によってカセットハーフに無理な力が加わるのを防ぎ、安定した走行を可能にしています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーシステムを搭載しています。
ライン及びマイクの入力切換としてインプットセレクターを搭載しており、S/Nを改善しています。
オーバーレベルリミッター回路を搭載しており、0dBを越す入力による歪の増加を防止し、録音ミスを防いでいます。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(84kHz) |
消去方式 | 交流消去(84kHz) |
ヘッド | 録再ヘッド、消去ヘッド、APLDヘッド |
モーター | キャプスタン用:DCサーボモーター リール用:DCメカニカルガバナーモーター |
テープ速度 | 4.8cm/s |
早送り時間 | 100秒(C-60) |
巻戻し時間 | 100秒(C-60) |
ワウ・フラッター | 0.05%(WRMS、JIS) |
周波数特性 | 20Hz~17kHz(Fe-Cr) 20Hz~17kHz(クローム) 20Hz~15kHz(ノーマル) |
SN比 | Dolby off:53dB Dolby on:60dB |
歪率 | 1.5% |
最小入力レベル/インピーダンス | ライン:70mV(-23dB)/50kΩ マイク:0.2mV(-74dB)/300Ω~2kΩ |
出力レベル/インピーダンス(0dB時) | ライン:580mV/50kΩ ヘッドホン:2mW/8Ω |
DIN端子 | 規定入力:30mV/80kΩ 規定出力(0dB時):580mV/50kΩ |
使用半導体 | トランジスタ:45個 FET:2個 IC:8個 ダイオード:56個 LED:3個 7セグLED:1個 SCR:2個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 17W |
最大外形寸法 | 幅442x高さ146x奥行354mm |
重量 | 9.3kg |
付属 | パラレルピンコードx2 ヘッドクリーニングバー |