SANSUI TU-α707Extra
¥54,700(1989年頃)
解説
独自のスーパーリニアシステムにより高品質化を図ったFM/AMチューナー。
フロントエンド部には、弱入力時の高感度受信能力と強入力時の妨害排除能力を同時に獲得したSLRC(スーパー・リニア・レシービング・サーキット)を搭載しています。
アンテナ入力部はPINダイオード、デュアルゲートMOS FETを採用したAGC回路により入力電界強度に応じ最適なゲインコントロールを自動的に行い、強電界地域で発生する歪も最小限に抑えています。
さらに、IC化したダブルバランスド・ミキサー回路により高周波妨害を追放してノイズを低減しています。
IF部にはSLSIC(スーパー・リニア・セレクション・IF・サーキット)によるWIDE/NARROWバンド幅切替機構を搭載しており、WIDE時には低歪率の広帯域セラミックフィルターを、NARROW時には隣接妨害排除能力に優れた高選択度の狭帯域フィルターを用いています。
これによりWIDE時には低歪率のハイクオリティ受信を可能にし、NARROW時には強電界地域での隣接局妨害をシャープにカットしています。
検波部には、FM波からオーディオ信号をリニアに検波するため、新開発のSLDC(スーパー・リニア・ディテクター・サーキット)を搭載しており、VDO(電圧制御発振器)に歪補正回路を組み込むことで、広帯域にわたる直線性を実現しています。
デジタルMPX部には、サンスイ独自のSLDD(スーパー・リニア・デジタル・デコーダー)を搭載しています。
この回路はデジタル処理による復調を行うため、隣接局を復調してしまう原因となる不要高調波成分を持たず、希望局の信号のみを高精度にステレオ復調できており、これによりセパレーションを大幅に改善しています。
また、隣接局妨害をカットするアンチバーディ・フィルターを不要とし、位相特性や周波数特性などを向上しています。
電源部は、オーディオ系、RF系、コントロール系にそれぞれ独立して電源を供給しており、各ステージの相互干渉を抑えています。
アンテナ入力はA/Bの2系統を備えており、切替が可能となっています。
これにより、それぞれのFM局の電波到来方向に対応することが可能となり、ベスト状態の受信が可能となっています。
10キーにより希望局の周波数を入力するとダイレクトに選局できるダイレクトインプット機能を搭載しています。
また、ワンタッチ選局が可能なプリセットメモリー、プリセットされた局を素早く選べるメモリースキャン、2つの放送局をプログラム留守録音できるLAST-2メモリー機能を搭載しています。
別売りでサイドウッドがありました。
機種の定格
型式 | シンセサイザーFM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
実用感度 | 10.8dBf |
SN50dB感度 | mono:16.2dBf stereo:37.0dBf |
実用選択度 | wide:60dB narrow:75dB |
SN比 | mono:88dB stereo:91dB |
歪率(1kHz) | stereo:0.0095% |
セパレーション(1kHz) | 60dB以上 |
イメージ妨害比 | 80dB |
スプリアス妨害比 | 120dB |
IF妨害比 | 120dB |
アンテナインピーダンス | 75Ω |
プリセットメモリー | 10局 |
<AMチューナー部> | |
実用感度 | 48dB/m |
実効選択度 | wide:30dB narrow:50dB |
SN比 | 50dB |
歪率 | 0.3% |
プリセットメモリー | 10局 |
<総合> | |
定格消費電力 | 12W |
外形寸法 | 幅430x高さ98x奥行315mm |
重量 | 5.1kg |
別売 | リアルサイドウッド SW-TU1(¥10,000) |