SANSUI TU-9500
¥74,800(1973年頃)
解説
実用上の性能と音質の向上を重視し、歪や位相乱れなどの音質を劣化させる原因を排除したFM/AMチューナー。
FMフロントエンドに、新開発の周波数直線型FM5連バリコンとデュアルゲートMOS
FETを3個使用し、高周波増幅2段とミキサー段を構成しています。
また、IF段では広帯域で選択度に優れた新開発ユニウェファー型2素子セラミックフィルターを4段構成で採用しており、位相ズレを補正するフェイズリニアの優れた独自の回路構成となっています。
MPX部では、新開発のD.D.C.(差動復調回路)を採用しており、SCAフィルターを電子的にキャンセルしています。これにより、SCAフィルターに使われているLC素子の減衰特性によって発生していた位相ズレを防いでいます。
AMチューナー部には、新開発の広帯域高選択度型コイル、2素子セラミック・ヤーマン型フィルター、さらに高周波増幅1段、3連バリコンの採用などにより、感度、選択度、音質に優れた構成となっています。
電源部には、トランジスタとツェナーダイオードを使用しており、リップルや電圧変動を追放しています。
ノイズサプレッサースイッチを搭載しており、FMステレオ放送受信時は10kHz以上の高域をカットすることなくステレオノイズを除くMPXノイズキャンセラーとして、またAM放送受信時には、7kHz以上のビートノイズを抑えるホイッスルフィルターとして働きます。
ミューティング・コントロールにより局間ノイズや同調時のポップノイズを消す事が可能です。また、ミューティングのかけ具合もコントロールが可能です。
4chディスクリート放送用にディスクリミネーター出力端子を搭載しています。
マルチパス観測端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
感度(IHF) | 1.7μV |
全高調波歪率 | mono:0.2%以下 stereo:0.3%以下 |
SN比 | 75dB以上 |
選択度 | 80dB以上 |
キャプチャーレシオ(IHF) | 1.5dB |
イメージ・フリクエンシー・リジェクション | 100dB以上 |
IFリジェクション | 100dB以上 |
スプリアスレスポンス・リジェクション | 100dB以上 |
ステレオ・セパレーション | 40dB以上(400Hz) |
不要輻射 | 34dB以上 |
周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.5 -2dB |
アンテナ入力インピーダンス | 300Ω(平衡型) 75Ω(不平衡型) |
<AMチューナー部> | |
感度(バーアンテナ) | 46dB/m |
選択度 | 25dB以上 |
イメージフリクエンシー・リジェクション | 100dB/m以上(1MHz) |
IFリジェクション | 100dB/m以上 |
<総合> | |
出力電圧 | 0V~1V Tape rec出力:0.4V |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅500x高さ140x奥行347mm |
重量 | 9.5kg |