SANSUI TU-666
¥33,800(1970年6月発売)
解説
FMの新しい技術を駆使して、実用性能の向上に努めたFM/AMチューナー。
FMフロントエンドは、FETと周波数直線型3連バリコンにより、混変調特性、イメージ比、S/N比、歪が改善されています。
IF段は、ICを使用した4段IF、3段リミッターで優れたIF特性を得ています。
これによりIF段の実効選択度特性は45dBと飛躍的に向上し、キャプチャーレシオの改善と共にステレオ放送受信時の高域における歪率、セパレーション特性、位相特性がよくなっています。
また、AGCにより強入力に対する歪も解消しています。
MPX回路には、SCAフィルターとシャープなカットオフ特性のLC型キャリアリークフィルターで高信頼性の回路構成となっています。
これによりビート障害や混変調歪を低減しています。
従来のハイカット・フィルターではなく新方式を採用することで、10kHz以上を再生することに成功しています。
周波数直線型の3連バリコンの使用により、周波数目盛は76~90MHzまで等間隔となっています。
丸型ダイアルで、1MHzを4分割した250kHzごとに読みとる事が出来ます。
またダイアルはスモークド・アクリルを使用したファンタスティック・イルミネーション・ダイアルで、指針は見やすいセルフライティングになっています。
純電子式のFMステレオ・モノ切替を搭載しており、FM AUTOではFM放送がモノからステレオになると電子スイッチが自動的に動作し、ステレオに切り換わります。
また、ステレオ時にはステレオ・インジケーターが点灯します。
300Ω平衡型のアンテナ入力端子のほかに、同軸ケーブル用の75Ω端子を搭載しています。
選局の際に局と局の間で入る雑音を無くすためにミューティング回路を採用しています。
AM部は大型のフェライト・バーアンテナとセラミックフィルター使用で高感度になり、選択度の向上や、妨害電波の排除能力が向上しています。
FMのIF段とフロントエンドの電源は、リプルフィルターつきの安定化電源を採用しており、特にフロントエンドは局発ドリフトを最小限にしてAFC回路を除くことに成功しています。
出力回路は、どのようなアンプにも接続できるように半固定の出力レベルアジャストがつけられており、プログラム・ソースと合わせたレベルにセットできます。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度 | 20dB quieting:2μV IHF:2.5μV |
全高調波歪率 | 0.8%以下 |
SN比 | 65dB以下 |
選択度 | 45dB以上 |
キャプチャーレシオ(IHF) | 3dB |
IFリジェクション | 60dB以上 |
イメージ・フレクェンシー・リジェクション | 55dB以上 |
スプリアス・レスポンス・リジェクション | 60dB以上 |
FMステレオ・セパレーション | 35dB以上(400MHz) |
不要輻射 | 34dB以下 |
アンテナ・入力インピーダンス | 300Ω:バランス 75Ω:アンバランス |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 535kHz~1605kHz |
感度 | 150μV(1000kHz、バー・アンテナ) |
イメージ・フレクェンシー・リジェクション | 40dB以上(1000kHz) |
選択度 | 25dB以上(1000kHz) |
出力 | 0.7V |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:24 FET:1 IC:1 ダイオード:19 |
電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅335x高さ127x奥行278mm |
重量 | 5kg |