SANSUI CA-606
¥36,500(1972年頃?)
解説
全回路をPNPとNPNトランジスタの組み合わせによるNFアンプ構成としたステレオコントロールアンプ。
イコライザー回路には、PNP-NPN-PNPトランジスタの組み合わせによるE-E NF型を採用しています。
この回路は、NPNよりも本質的にノイズの低い、PNPトランジスタを初段に用い、エミッタ電圧が自由に選べるので動作点が合理的であると同時に、直流NFと交流NFを巧く組合わせる事で、直流安定性が高くなっています。
中間アンプは、トーン・コントロールの前段と後段に、それぞれPNP-NPNトランジスタによる2段E-B
NF型回路を設けています。
これは、エミッタからベースへ、直流NFと交流NFをほどこしたもので、歪率は小さく、S/N比も高くなります。
出力段は、エミッタ・フォロワー出力回路を採用しています。
ロー・インピーダンスで十分な出力レベルが得られるので、出力コードを延長しても高域の減衰などの悪影響がありません。
従来のBass、Trebleの他に、中高域を調整するMidrangeを加えたトリプル・トーン・コントロール(T.T.C)としています。
ロータリースイッチ使用で、高・低域は2dBステップ、中音は1dBステップの調整が可能です。
信号経路から電解コンデンサを無くすため、できるだけ直結回路を取り入れ、段間にコンデンサが必要な場所では回路インピーダンスを高くしてマイラー型を使用しています。
これによって、高域の特性が改善されました。
直流電源には、ツェナー・ダイオードを使用した定電圧回路を採用しています。
このためにドリフトが少なく、回路の安定性が向上しています。
出力回路とは別に、ヘッドホン専用のアンプを搭載しています。
同時に2台のテープデッキに録音ができ、どちらの再生モニターもできる、テープモニター2回路方式となっています。
またリプリント・スイッチにより、デッキ1からデッキ2へのリプリントが簡単にでき、それぞれのモニター、あるいはリプリントしながら全く別のソースを楽しむ事ができます。
入力回路はPhono2系統をはじめ、Tuner、AUXやTape Play Back 2回路があり、さらにフォーン・プラグの使えるMIC入力ジャックを搭載しています。
12dB/octのNF型ロー・フィルターとハイ・フィルターを搭載しています。
ワンタッチで-20dB減衰ができる、ミューティングスイッチを搭載しています。
ラウドネス・コントロール搭載
モード・スイッチは、Stereo、Reverse Mono L+R、L、R
電源スイッチ連動のACアウトレットを搭載
DINコネクター搭載。
機種の定格
型式 | プリアンプ |
出力電圧 | 最大出力:3.5V 定格出力:1.5V |
全高調波歪率 | 0.1%以下(定格出力) |
周波数特性 | 15Hz~30000Hz、±0.5dB |
ハム及び雑音(IHF) | Phono1、2:75dB以上 MIC:80dB以上 Tuner、Aux:80dB以上 |
入力感度/インピーダンス (1kHz、定格出力時) |
Phono1:2mV/50kΩ Phono2:2mV/50kΩ MIC:3mV/50kΩ Tuner:180mV/50kΩ AUX:180mV/50kΩ Tape Mon(Pin):180mV/50kΩ Tape Recorder(Din):180mV/50kΩ |
録音出力 | Tape Rec(Pin):180mV Tape Recorder(Din):30mV |
イコライザー | Phono:NF型、RIAA Mic:NF型、フラット |
コントロール | Bass:50Hz、±10dB Midrange:1000Hz、±5dB Treble:15000Hz、±10dB Loudness:+8dB(50Hz)、+3dB(10kHz)(Volume -30dB) |
スイッチ | Low Filter:30Hz -12dB(NF型12dB/oct) High Filter:20000Hz -12dB(NF型12dB/oct) Tape Monitor 1:Source-Playback Tape Monitor 2:Source-Playback Tape to Tape Reprint:Source Record-Deck 1 to 2 Muting:-20dB |
使用半導体 | トランジスタ:18 ダイオード:2 ツェナー・ダイオード:1 |
電源 | 100V、50Hz/60Hz、9VA |
外形寸法 | 幅415x高さ127x奥行278mm |
重量 | 5.7kg |