オーディオの足跡

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AU-D707Fの画像
 解説 

NFBの限界を超越する技術として新たに開発されたスーパー・フィードフォワード・システムを搭載したプリメインアンプ。

従来のアンプで採用されていたNFB技術を補い、より歪を低減するため、独自に開発したスーパー・フィードフォワード・システムを搭載しています。
この回路は、1928年にH.S.ブラック氏によって考案されたフィードフォワード理論をベースにした回路で、サンスイでは、1975年に実用の可能性を探りましたが壁に突当たり中断、続いて1978年に研究を再スタートするも挫折、そして1980年にNFB技術の併用というヒントを手中にし、ついにこれを完成させました。
このフィードフォワード回路は、原信号から歪成分だけを取り出しそれを逆位相として出力で合成、歪をキャンセルするというものでしたが、理論的にのみ可能な回路で、乗り越えるべき問題が多く幻の理論とされていました。そこで、スーパー・フィードフォワード・システムではNFBとフィードフォワード双方の長所を結びあわせた構造を採用しています。
NFBは低域の歪改善に主に動作しフィードフォワードのための逆位相歪を取り出す役割も兼任させています。また、フィードフォワードのためのエラーコレクション・アンプを設け、さらにコンピューター技術を駆使し、2ポール補償に対しても歪キャンセルのできる出力のサミング・ネットワークを開発することで、広帯域にわたって歪除去を可能にしています。
このスーパー・フィードフォワード・システムにより、NFB量の少ない設計が可能となり、アンプの安定度が増すともに、TIM歪をほぼゼロにできています。

AU-Dシリーズに採用されたダイアモンド差動回路を搭載しています。
ダイアモンド差動回路は、2組の差動回路を上下に組合わせたデュアルコンプリメンタリー差動接続とし、プリドライブ段に搭載されています。これにより音楽信号のように過渡的で複雑なピーク入力に対しても必要なドライブ電流を忠実にパワーステージに送り込んでいます。
また、2ポール位相補償回路により、NFBの動作範囲を拡大し、入力信号に対し優れた高速応答性を実現しています。

シンプル&ストレート化を徹底しており、信号の流れをごく短距離かつシンプルにすると同時に、3次元的な立体配線を行っており、最短距離の信号経路を作り上げています。
さらに、放熱用ヒートパイプを採用したことによって、回路図の流れに沿って入力から出力までのパターンがプリント基板構成上、理想的な携帯で展開することが可能となっています。このため、従来のヒートシンクを用いる場合では難しかったパワー段とドライバー段を近づける設定が実現でき、さらにプッシュプル出力回路を構成する2つのトランジスタを近接設置でき、大電力が流れる出力トランジスタ付近の線材の引き回しを排除しています。
また、ツインリレースピーカースイッチで、スピーカーA、Bの切替えを行っており、出力ラインの引き回しを防いでいます。

AU-D907Limitedで得たノウハウを投入し、ウッドボンネット、青銅メッキビス、NM素子を大量に採用するなど、基板やシャーシ構造を含め、磁気歪の影響を受け難い設計を徹底しています。

トーンアンプを省き、ハイゲインイコライザーアンプとパワーアンプの2アンプ構成としています。
イコライザーは初段にローノイズ・ハイgmのデュアルFETを使用し、差動2段とカレントミラーつき電流差動によるプッシュプルドライブ純コンプリメンタリーSEPP出力としています。
そして、DC領域の安定化を期しながら出力コンデンサーを取除くためDCサーボを採用しています。

イコライザー専用電源部には、新開発リニアサーボレギュレーターを採用しています。
この安定化電源は、回路内に一定のバイアス電流を流す事により、過渡的な負荷に対しても安定した応答ができるため、常時クリーンかつ安定な電源供給を可能にしています。

MCカートリッジ用に、差動2段のシンメトリカル回路を採用したMCヘッドアンプを搭載しています。
このMCヘッドアンプでは、入力ゲイン切替えスイッチを設けることで、カートリッジのタイプの違いによる出力の大小にも対応できるよう、Highポジション(0.1mV/100Ω)とLowポジション(0.25mV/100Ω)とを選べます。

電源部は左右独立2電源方式とし、2巻線2電源構成としています。
また、ブロックコンデンサは、低倍率エッチングによる低インピーダンス型で、過渡的な充放電にも優れた追従性をもつハイスピード・コンデンサーを採用しています。
さらに、整流ダイオードにはスイッチングスピードの速いファーストリカバリーダイオードを採用し、レギュレーションの応答性を向上させています。

CRで構成されたシンプルなトーンコントロール回路を搭載しています。
イコライザーとパワーアンプなどの増幅素子をもたないシンプルな方式なため、ボリューム位置-6dB〜0dB(フルパワー時)にはトーンコントロールを効かない設計となっており、従来のようにフルパワー時にアンプの増幅度を越えてサチュレーションを起こすような事がありません。

サブソニックフィルターとスーパーソニックフィルター、2回路テープモニター、レコーディングセレクター/コピー機能、オーディオミューティング、バランスコントロール、イジケーター付入力セレクターなどを搭載しています。

ローズウッド調ボンネットのブラックモデルと、ホワイトオーク調ボンネットのシルバーモデルの2種類がありました。

機種の定格
型式 スーパー・フィードフォワード&DD/DCアンプ
<パワーアンプ部>
実効出力 95W+95W(8Ω、10Hz〜20kHz、THD 0.005%)
95W+95W(8Ω、1kz、THD 0.003%)
全高調波歪率(10Hz〜20kHz、実効出力時) 0.005%以下
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1、SMPTE) 0.008%以下
出力帯域幅(IHF、両ch動作、THD 0.02%) 5Hz〜80kHz
ダンピングファクター(新IHF、20Hz〜20kHz) 100(8Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
SN比(Aネットワーク) 110dB以上
エンベロープ歪 測定限界以下
TIM歪(Sawtooth法) 測定限界以下
スルーレイト ±200V/μsec(8Ω)
インサイド・スルーレイト ±300V/μsec(8Ω)
ライズタイム 0.8μsec
<プリアンプ部>
入力感度/入力インピーダンス(1kHz) Phono1、2 MM:2.5mV/47kΩ
Phono1、2 MC(high/low):100μV、250μV/100Ω
Tuner、AUX、Tape Play1、2:250mV/27kΩ
Phono最大許容入力(1kHz、THD 0.01%) MM:200mV
MC:25mV
出力レベル/インピーダンス(1kHz) Tape Rec:250mV(47kΩ)/600Ω
全高調波歪率 Phono1、2 MM:0.005%以下(20Hz〜20kHz、5V)
RIAA偏差(MM) 20Hz〜20kHz ±0.2dB
SN比(Aネットワーク) Phono1、2 MM:90dB以上
Phono1、2 MC:74dB以上
Phono入力換算雑音
(Aネットワーク、ショートサーキット)
Phono1、2 MM:-142dBV
Phono1、2 MC:-154dBV
チャンネルセパレーション Phono1、2 MM:60dB以上
Phono1、2 MC:50dB以上
Tuner、AUX、Tape Play:80dB以上
トーンコントロール Bass:+6〜-8dB(50Hz)
Treble:±6dB(10kHz)
トーンセレクター Bass:150Hz、300Hz
Treble:3kHz、6kHz
フィルター Low:16Hz(-3dB、6dB/oct)
High:20kHz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング -20dB
<総合>
定格消費電力(電気用品取締法) 250W
外形寸法 幅445×高さ163×奥行403mm
重量 14.0kg