ROGERS E-20a
¥200,000(1996年頃)
解説
E-40aと同時に開発された管球式インテグレーテッドアンプ。
パワーアンプ部の回路構成は、初段にヒーター直流点火動作の双3極管ECC83(12AX7WB)、位相反転にGT形双3極管6H8C(6SN7)を使用して出力段をドライブしています。
出力段は、ペア選別されたGT形ビーム管である6L6GT(6П3С)を用いた純A級動作回路となっており、出力トランスにはコア材料や線材、絶縁材料などを厳選し新設計の出力トランスを採用しています。
真空管の特徴を活かすため、NFBを約10dBに抑えた低NFB設計となっています。
フォノアンプ部にはシンプルなCR型イコライザー回路を採用しており、独立した2mm厚両面基板上に搭載しています。
イコライザーアンプには選びぬかれたローノイズ双3極管ECC83(12AX7WB)を採用しており、ヒーターの直流点火や高精度のRIAA素子等の使用によって基本性能を向上させています。
パワーアンプ部は左右シンメトリーな配置を採用しており、信号経路の均一性や真空管の発熱を改善しています。
シャーシ構造は、機械的な強度や振動だけでなく真空管の発熱や熱処理に対しても検討し、堅牢な軟鋼板と制振効果のあるステンレスを採用しています。
さらに操作性を向上させるため、亜鉛合金を素材にしたツマミを採用しています。
耐久性に優れ、振動にも強い2mm厚のガラスエポキシ基板を採用しています。
また、金メッキ処理が施された入出力端子や、金メッキ接点のロータリースイッチ、高精度のバランス及びマスターボリューム、大型金属被膜抵抗、高信頼フィルムコンデンサーなどを採用しており、耐久性・信頼性を向上しています。
機種の定格
型式 | 管球式インテグレーテッドアンプ |
<パワーアンプ部> | |
実効出力 | 18W+18W(正弦波連続出力、両ch駆動) |
出力インピーダンス) | 4Ω、8Ω |
全高調波歪率 | 1%以下(1kHz、1/2実効出力時) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.5dB |
残留ノイズ | 0.2mV(JIS-A) |
ライン入力感度 | 150mVrms |
入力インピーダンス | 100kΩ |
<イコライザーアンプ部> | |
入力感度 | 3.5mVrms |
入力インピーダンス | 47kΩ |
Phono許容入力 | 1.7Vrms |
SN比 | 66dB(JIS-A) |
<総合> | |
定格消費電力 | 120W |
外形寸法 | 幅430x高さ175x奥行430mm |
重量 | 13.0kg |