QUADRAL MONTAN
¥330,000(1台、1990年頃)
解説
Phonologueシリーズのスピーカーシステム。
Phonologueシリーズは1981年に発表されたTITANから続くシリーズで、MONTANは第4世代の製品として開発されました。
低域には26cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板はパルプコーンをダンプ剤でトリートメントし、さらに放射表面に非平衡の細いリブを入れるなどの補強を行うことで軽さと剛性を持たせています。また、ボイスコイルが大きなストロークで動作する時にもいつも一定の磁束中で保持されるように、トッププレートのボイスコイル側をL型にした磁気回路で構成されています。
中低域には22cmコーン型ミッドバスユニットを搭載しています。
中域には11cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
高域には1.9cmメタルドーム型トゥイーターを搭載しています。
エンクロージャーにはトランスミッションライン方式を採用しています。
この方式では、ウーファーの背後に長い音道を設け、ウーファーコーンの背圧をこれを経由して外部空間に放出しています。ダクト部の空気の共振を使わない点でバスレフ方式とは違い、コーンにホーンロードをかけない点でバックロードホーン方式とも異なっています。これにより、ウーファーコーンの前面と背面の音圧を完全に分離できるため、コーンの動作の制御が極めて容易となっています。そして、共振によるピークもキャビネット内の空気の抵抗による低域のだら下がりもないフラットな低音再生を可能にしています。
MONTANでは、ウーファーのfo30.9Hzに合わせて2.1mの音道を1回折り曲げて高さ1.16mのエンクロージャーとしています。吸音材が充填された音道を通過する音波の速度は通常の場合よりずっと遅い秒速250m位になるため、2.1mの音道はちょうど30.9Hzの1/4波長に合致します。
外観はマホガニー仕上げが施されています。
機種の定格
方式 | 4ウェイ・4スピーカー・トランスミッションライン方式 ・トールボーイ型 |
使用ユニット | 低域用:26cmコーン型 中低域用:22cmコーン型 中域用:11cmコーン型 高域用:1.9cmドーム型 |
周波数特性 | 28Hz~25kHz |
インピーダンス | 4Ω |
出力音圧レベル | 89dB/W/m |
最大入力 | 170W(ピーク250W) |
クロスオーバー周波数 | 150Hz、500Hz、3.5kHz |
外形寸法 | 幅350x高さ1,160x奥行400mm |
重量 | 52kg |