解説　

フロントローディングタイプのDDフルオートプレイヤー。

フロントローディング機構を採用しています。
この方式ではフォノモーターとトーンアームを搭載したスライダーが手前へ滑り出てくる構造となっています。これにより従来の開閉式ダストカバーのようにスペースの制約を受けず、オーディオシステムのコンパクト化やより自由なレイアウトを可能にしています。
スライダーの出し入れは前面コントロール部のタッチキーで行うようになっており、専用モーターによってスムースな動作を実現しています。また、前面ドアはスライダーの動きに合わせて自動開閉するものとなっています。

駆動方式にはダイレクトドライブ方式を採用しており、駆動モーターにはSH・ローター方式のコアレスモーターを搭載しています。
SH・ローター方式ではローターの支点をターンテーブルのすぐ下に移動させる事でターンテーブルの重心と支点をほぼ一致させています。これによりシャフトの逆円錐運動や潤滑油によって起こる回転滑りを根本的に追放しています。
モーターはコアレス構造のコアレスDCサーボモーターを採用しています。

最大6%のピッチコントロール機能を搭載しており、ターンテーブルの回転数の微調節が可能です。

カートリッジにはパイオニアが独自設計した高出力タイプのMCカートリッジを搭載しています。
発電効率が良いため、MC型でありながら昇圧トランスやヘッドアンプを使用せずにアンプのMMポジションに接続が可能です。また、左右を独立させた発電構造によってチャンネル間の相互干渉を追放し、優れたチャンネルセパレーションを実現しています。
さらに、カートリッジの構造自体がシンプルなため、針交換が可能です。

オートディスクサイズ(ADS)機構を搭載しており、ターンテーブル上のレコード盤のサイズ(30cm/17cm)を自動的に判別します。
また、音溝のエンド検出には無接触電子方式を採用しており、アームに不要な側圧がかからない設計としています。

機種の定格

型式	レコードプレイヤー
<ターンテーブル部>
モーター	コアレスDCサーボホールモーター
軸受方式	SH・ローター方式
駆動方式	ダイレクトドライブ
ターンテーブル	28cm
回転数	33・1/3、45rpm
回転ムラ	0.012%以下(WRMS/FG直読法) 0.025%以下(WRMS/JIS)
S/N	78dB以上(DIN-B)
起動特性	2/3回転以内
<トーンアーム部>
トーンアーム	スタティックバランスストレートアーム
実効長	208mm
オーバーハング	20.2mm
<カートリッジ部>
カートリッジ	MC型
針先	0.5mil丸型ダイヤ針
交換針	PN-5MC
出力電圧	2.2mV(1kHz、50mm/sec、LAT.Peak)
適正針圧	2g±0.3g
周波数特性	10Hz～32kHz
<総合>
付属機構	ピッチコントロール(最大6%) オートディスクサイズ オートリードイン オートリターン オートカット オートリピート
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	10W
外形寸法	幅420x高さ98x奥行335mm
重量	10kg