Pioneer PL-44F/PL-44FS
PL-44F:¥49,800(1982年発売)
PL-44FS:¥49,800(1983年発売)
解説
オートディスクサイズ(ADS)機能を搭載したフロントローディングタイプのフルオートプレイヤー。
フロントローディング方式を採用しています。
この方式ではボタンを押すとターンテーブルやトーンアームを搭載したスライダーが前方に滑り出てきてレコードがセットできます。従来のレコードプレイヤーのようにカバーを開けるスペースが必要ありません。しかも、キャビネットは40kgの積載に耐える強固な設計となっているため、アンプやチューナーを積み重ねる事ができ、より自由なレイアウトが可能です。
スライダーのスライドイン/アウトをはじめとする全ての操作はフロントパネルに設けられたコントロールキーで行います。
ハウリングを防止するため、耐振構造にコアキシャルサスペンション方式を採用しています。
これにより外部からの振動に強く、優れた安定性と解像力の高い低音再生を実現しています。
ターンテーブルの軸受構造にはSH・ローター構造を採用しています。
この方式は回転の支点をターンテーブルのすぐ下に移動させたパイオニア独自の構造です。これによりターンテーブルの重心と支点の位置をほぼ一致させており、シャフトの逆円錐運動や、潤滑油によって起こる回転滑りを根本的に追放しています。
駆動モーターには回転精度の高いDCサーボモーターを採用しています。
カートリッジにはパイオニアが独自に開発した高出力MCカートリッジを採用しています。
このカートリッジは6極4マグネットの新構造によって磁束密度を増大させたもので、効率の良い発電を可能にしています。これにより2.5mVの高出力を実現しており、イコライザーのMMポジションでも再生が可能となっています。
さらに左右独立発電とすることで優れたチャンネルセパレーション特性と低歪率化を実現しています。
このカートリッジは全体の構造がシンプルな設計となっており、従来のMCカートリッジではできなかった針交換が可能です。
新開発のオートディスクサイズ機構を搭載しており、ターンテーブルにセットされたレコード盤の大きさ(30cm/17cm)を自動的に判別し、さらに光学式センサーでレコードの有無も判別します。
これにより、誤って操作ボタンを押してもフェールセーフ機構が動作して針先を痛める心配がありません。
レコードエンドの検出には無接触光学式速度検出を採用しており、曲数の多いオムニバスレコードのように内周深くまで音溝のあるレコードでも途中で演奏カットされる事がありません。
レコード片面のリピート再生機能を搭載しています。
曲の途中からでも演奏が始められるマニュアル演奏機能を搭載しています。
別売りのデッキシンクロコードを用いる事でパイオニアのカセットデッキ(CT-980、CT-880、CT-780、CT-580など)とのシンクロ動作が可能です。
1982年の発売時にはシャンペンゴールドタイプのPL-44Fのみでしたが、その後シルバータイプのPL-44FSが発売しました。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
モーター | DCサーボモーター |
軸受方式 | SH・ローター方式 |
駆動方式 | ベルトドライブ |
ターンテーブル | 28cm |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
回転ムラ | 0.045%以下(WRMS/JIS) |
S/N | 70dB(DIN-B) |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | スタティックバランスストレートアーム |
実効長 | 208mm |
オーバーハング | 20mm |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | MC型 |
針先 | 0.5mil丸形ダイヤ針 |
交換針 | PN-3MC(PL-44F) PN-5MC(PL-44FS) |
出力電圧 | 2.5mV(1kHz、50mm/sec水平) |
適正針圧 | 2g±0.3g |
周波数特性 | 10Hz~32kHz |
<総合> | |
付属機構 | オートディスクサイズ オートリードイン オートリターン オートカット オートリピート |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 8.5W |
外形寸法 | 幅420x高さ98x奥行335mm |
重量 | 9kg |