Pioneer PL-360
¥49,800(1979年頃)
解説
クォーツPLL DCサーボモーターを採用した前面操作型マニュアルプレイヤー。
駆動モーターにはハイトルククォーツPLL DCサーボホールモーターを採用しています。
このモーターのサーボ回路にはクォーツPLLを採用しており、精度の高い水晶発振子による基準信号を応用し、ターンテーブルの進み遅れを位相差制御しています。さらに、水晶の基準信号と比較検出されるモーターの速度検出機構には信頼性の高い全周積分方式を採用しています。これは、ローダーマグネット下面の全周に等間隔で着磁された200極と、対向して取り付けられた同極数のプリントパターンコイルによって交流信号を発生させる方式です。このため、全周で積分することで高い精度が得られ、着磁ピッチや検出器の取付精度に影響されず、クォーツPLLの高精度をより確実なものにしています。
また、モーターの磁極切換えにはパイオニアが開発したホール素子を用いたブラシレス型を採用しています。そして、軸・軸受け等の精度をミクロン以下に維持することにより、回転ムラ0.025%以下、S/N78dB以上を実現し、回転数偏差も±0.002%以内に抑えられてます。
起動特性は1.3kg・cmのハイトルク設計となっており、1/3回転以内で定速回転になります。
トーンアーム部には新方式のスタビリティサポートと質量集中方式を採用しています。
軸受けのピボットをピボットホルダーに収納し、スプリングでサポートした精巧なスタビリティサポート方式を採用しており、安定度の高いジンバルサポート構造とあいまって初動感度7mgを実現しています。
さらに、メインウェイトを支点(アーム軸)に近づることで慣性モーメントの軽減を計った質量集中方式の採用により、トラッカビリティを大幅に向上させています。
キャビネットにはコアキシャルサスペンション(同軸懸架方式)を採用しています。
この方式ではモーターとアームをアンダーボードに取り付け、そのアンダーボードをダイキャストキャビネットからスプリングサポートしてフローティングさせた構造を採用しています。こrねいよりハイパワー再生時にも音圧や振動の影響を受けにくくし、ハウリングマージンを大幅に向上しています。
カートリッジにはMM型カートリッジを採用しています。
ソフトタッチのスタート・ストップボタンを搭載しています。
オイルダンプ式のアームエレベーションで聴きたいポジションに針を降ろしてスタートボタンを押せば、素早い頭出しが行えます。また、ストップボタン連動の純電子式のブレーキ機構によってスピーディなレコード変換も可能です。
クォーツロックインジケーターを採用しています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<フォノモーター部> | |
モーター | クォーツPLLブラシレスホールモーター |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
ターンテーブル | 33cmアルミダイキャスト |
慣性質量 | 330kg-cm2 |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
回転ムラ | 0.025%以下(WRMS) |
S/N | 78dB以上(DIN-B) 65dB以上(JIS) |
負荷変動 | 0%(針圧200g以内) |
起動特性 | 1/3回転以内 |
起動トルク | 1.3kg・cm |
回転数偏差 | 0.002%以下 |
ドリフト | 時間ドリフト:0.00008%/h 温度ドリフト:0.00003%/℃ |
<トーンアーム部> | |
型式 | スタティックバランスS字型パイプアーム |
実効長 | 237mm |
オーバーハング | 15mm |
適合カートリッジ自重 | 4g~9g |
高さ調整範囲 | ±3mm |
ヘッドシェル | アルミインパクトプレス |
<カートリッジ部> | |
型式 | MM型 |
針先 | 0.5milダイヤモンド針 |
交換針 | PN-200 |
出力電圧 | 2.5mV(1kHz、50mm/sec.水平) |
負荷抵抗 | 30kΩ~100kΩ |
適正負荷抵抗・負荷容量 | 50kΩ・170pF~300pF |
適正針圧 | 2.0g±0.3g |
周波数特性 | 10Hz~32kHz |
<その他> | |
付属機構 | クイックストップ 針圧直読ウェイト アーム高さ調整機構 アームエレベーション アンチスケーティング フリーストップヒンジ |
使用半導体等 | 水晶x1 ICx3 ホール素子x3 LEDx3 トランジスタx12 ダイオードx5 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅456x高さ140x奥行377mm |
重量 | 10.5kg |