Pioneer PD-7070
¥59,800(1987年発売)
解説
上級機から継承された基本性能に加え、CDプレイヤーならではの機能を搭載したCDプレイヤー。
デジタルフィルタには4倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しています。
サンプリング周波数44.1kHzでサンプリングされた信号をデジタル処理で4倍の176.4kHzまで引き上げ、44.1kHz付近の不要な折り返しノイズを除去するもので、これによりゆるやかな特性のローパスフィルターが使用でき、高域まで位相まわりの少ない低歪率なオーディオ特性を実現しています。
D/A変換部には、グリッチレスタイプのツインD/Aコンバーターを採用しています。
これによりデグリッチ回路なども必要なく、シンプルな回路構成を可能としており、さらに左右独立のツイン構成とすることで、チャンネルセパレーションと左右の信号の高域での位相ズレを改善しています。
レーザー光でピット信号を読み取る時、4つのフォトディテクタに生ずる位相差を無くして、高出力のRF信号を得ることが可能な、アキュフォーカスシステムを採用しています。
ピックアップ部には、大型コンピューターによる高分子材料の解析や、実装シミュレーションなどを繰り返し、ピックアップボディの形状と特性を改善したピックアップを採用しています。
また、フォトディテクタ部も改善しており、バッファアンプ6個を内蔵し、外来ノイズの影響を大幅に抑えてS/Nを改善しています。
電源部は、サーボ、デジタル系とオーディオ系、FL表示系に加え、D/Aコンバーター用も別巻きにしたバイファイラ巻きトランスを採用しており、相互干渉を防止しています。
光学系メカニズムをシャーシから浮かせたフローティング構造を採用しています。
さらにメカニズムのサポート部よりもメカシャーシの重心を下げて不安定なな横揺れの発生を抑えるバラストベースを開発し、振動減衰特性に優れたセラミック製のメカサポート上に固定することにより、安定した信号読取りを実現しています。
ディスクの不要な振動を抑えるため、パイオニア独自のディスクスタビライザーをさらに改良し、ディスクスタビライザーとディスクテーブルをマグネットの吸引力でしっかりと固定できるマグネットクランプを採用しています。
これは、スタビライザーとそれを支えるクランパーアームが非接触の状態でディスクを回転させることができる新機構で、ディスク回転時に発生する振動を大幅に減少させています。
シャーシにはハニカム状のリブで構造的に強度を高めたハニカムシャーシを採用しており、さらに銅メッキ処理を施す事で不要振動と磁気歪の低減を実現しています。
聴き始めたい曲の番号と、使用テープの時間を指示することで、時間内に何曲までフル演奏が可能かをマイコンが判断して自動的にプログラムするオートプログラムエディット機能を搭載しています。
さらに、オートプログラムエディットを発展させたタイムフェードエディット機能を搭載しており、希望の時間を指定すると、その時間で自動的にフェードアウトしてポーズ状態になります。
ミュージックウインドウ機能を搭載しており、曲の中の好きなフレーズや、必要な部分だけを取り出し、8フレーズまでつないで連続して演奏させることが可能です。つなぎ目はフェードイン、フェードアウトします。
ワンタッチフェード機能を搭載しています。
音量のコントロールはデジタルアッテネーターICを開発・採用しています。
リモコンで音量の調整ができるデジタルレベルコントロール機能を搭載しています。
タイマースタートが可能な電源onスタート機能を搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
ピックアップ | 3ビーム半導体レーザー方式 |
D/A変換フォーマット | 16bit直線 |
周波数特性(EIAJ) | 4Hz~20kHz ±0.5dB |
SN比(EIAJ) | 104dB以上 |
ダイナミックレンジ(EIAJ) | 95dB以上 |
チャンネルセパレーション(EIAJ) | 100dB以上 |
ワウ・フラッター(EIAJ) | 測定限界(±0.001%W.PEAK)以下 |
全高調波歪率(EIAJ) | 0.0035%以下 |
出力電圧(EIAJ) | 2V ±0.5V |
チャンネル数 | 2チャンネル(ステレオ) |
デジタル出力 | 同軸出力:0.5Vp-p/75Ω 光出力:-15dBm~-20dBm(波長660nm) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅420x高さ90x奥行315mm |
重量 | 5.7kg |
付属 | リモコン |