Pioneer CT-600M
¥64,800(1979年発売)
解説
メタルテープの性能を十分に引き出すため、ヘッドを中心に研究を進め、メタルテープポジション搭載に成功したステレオカセットデッキ。
録再ヘッドには、高域のMOL(最大出力レベル)の高いメタルテープにも磁気飽和しないヘッドとして、センダスト合金を採用しています。これによりヘッド飽和による音質劣化がなく、高入力時の歪発生を防いでいます。
メタルテープでは保磁力が強いため、一度録音された音を消し難いという性格を持っています。これに対応し十分な消去特性を得るため、新設計フェライト消去ヘッドを開発・採用しており、さらにこれをダブルギャップ構造にして強磁界を得ています。
ヘッドの発熱を防ぐため、コアを熱伝導率の高い放熱板を兼ねた取付台につけています。
ハイトルクのDCサーボモーターを搭載しており、キャプスタン軸には高精度加工を施すとともに、大型のフライホイールとツインベルト方式によって回転ムラを低減しています。
新開発のICを採用したドルビーシステムを搭載しています。
録音アンプには、ダイナミックレンジが広く、リニアリティの優れた録音アンプを採用しています。
-20dB~+8dBのワイドレンジをカバーするレベルメーターを採用しており、さらに録音ソースのピークレベルを5段階(0、+2、+4、+6、+8dB)に表示する5レベルピークインジケーターを搭載しています。
PMS(パイオニア・ミュージック・セレクトシステム)を採用しており、今聴いている曲を飛ばして次の曲に移りたい時や、もう一度イントロから聴きたい時など、自動的に曲の頭を検知し、再生します。
録音時にPMSが検知するのに必要な曲間が作れるRECミュートも搭載しています。
メモリーストップやメモリープレイ機構、Line入力とMIC入力のミキシング、キュー&レビュー、出力レベルコントロール、留守録音機構など、多彩なテーププレイが可能な機能を搭載しています。
Metal、STD/CrO2、Fe-Crの3段切換えテープsレクターを搭載しています。
STDとCrO2はテープの検知ホールの有無で自動的に切換ります。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ | ||||||||
モーター | ハイトルクDCサーボモーターx1 | ||||||||
ヘッド | 録再:センダストヘッドx1 消去:ダブルギャップフェライトx1 |
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早巻時間 | 90秒以下(C-60にて) | ||||||||
ワウ・フラッター | 0.045%以下(WRMS) | ||||||||
周波数特性 |
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SN比(第3次高調波歪率3%、 聴感補正) |
Dolby off:59dB以上 Dolby on:69dB以上(5kHz以上) |
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歪率 | 1.2%以下(0dB) | ||||||||
入力感度/最大許容入力 /インピーダンス |
ライン:65mV/25V/56kΩ マイク:0.3mV/100mV/18kΩ(適合インピーダンス:250Ω~10kΩ) |
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基準出力/最大出力 /インピーダンス |
ライン:450mV/640mV/50kΩ ヘッドホン:70mV/100mV/8Ω |
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付属機構 | ドルビーシステム 3段切換テープセレクター 自動頭出し機構 メモリーストップ/メモリープレイ機構 キュー/レビュー機構 出力レベルコントロール 5レベルピークインジケーター +8dBワイドレンジメーター 留守録音スタンバイ機構 カセット背面照明機構 エアダンプドア |
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使用半導体 | トランジスタ:69個(モーター制御用3個) FET:2個 IC:2個 ダイオード:58個(ツェナーダイオード2個、LED8個、モーター制御用1個) |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||||||
消費電力 | 20W | ||||||||
外形寸法 | 幅420x高さ143x奥行316mm | ||||||||
重量 | 7.5kg |