Pioneer D-70
¥45,000(1980年頃)
解説
使いやすさを重視した、シンプルな2ウェイ設計のエレクトロニック・クロスオーバーネットワーク。
バッファアンプのハイパスフィルター部は高域特性に優れた正負2電源(±31V)純コンプリメンタリーA級SEPP回路を採用しています。
歪成分の大半を占める偶数次高調波歪をコンプリメンタリー回路により打ち消し、低歪で動作しています。
また、入力インピーダンスを高く、出力インピーダンスを低くすることにより、フィルターのCR素子に影響を与えない設計となっています。
ローパスフィルター部は3段構成とし、初段にはハイパス部と同じ正負2電源(±31V)純コンプリメンタリーA級SEPP回路を採用しています。また、次段は同じく正負2電源の初段差動シングルエミッター出力回路、終段は正負2電源初段差動による純コンプリメンタリーA級SEPPの構成となっています。
フィルター回路のコンデンサーには、誤差2%のスチロールコンデンサーなど、損失や漏れ電流が少ない素子を使用し、周波数特性や音の立ち上がり、クロスオーバー周波数の精度を高めています。
カットオフ周波数は、倍率x1のポジションで11ヵ所、倍率x10のポジションで11ヵ所、重複する周波数を考慮しても、1/3オクターブ刻みで21種が選べます。
遮断スロープは12dB/octで、減衰量が-80dB(電圧で1万分の1)以下までリニアなスロープ特性を有するフィルターを採用しています。
カットオフ周波数切換えは、ローパス/ハイパス独立なので、ウーファーとトゥイーターのクロスオーバーを重ねることも可能です。
正確なレベル設定のために、レベルコントロールは32ポジション、1dBステップのアッテネーター型を使用しています。
メモリーマーカーがついているため、一度設定したレベルを動かしても、正確に元のレベルが再現できます。
また、ネットワークスイッチをOFFにすると、ローパスVariable端子にプリアンプからの信号がそのまま出力できます。
別売りのEIA規格ラック、JA-R2S、JA-R1Sに搭載可能なラックマウントアダプターが付属しています(2U)。
また、アダプター部を取り外せば、20番シリーズと横幅が同じサイズになります。
パイオニアのセパレートアンプ70番シリーズとマッチしたデザインを採用しています。
機種の定格
型式 | エレクトロニック・クロスオーバーネットワーク | ||||
回路方式 |
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カットオフ周波数 | ローパス、ハイパス x1ポジション:100、125、160、200、250、320、400、500、630、800、1kHz x10ポジション:1k、1.25k、1.6k、2k、2.5k、3.2k、4k、5k、6.3k、8k、10kHz |
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スロープ特性 | 12db/oct | ||||
レベルコントロール | 0~-30dB(1dBステップ)、-∞ | ||||
挿入損失 | 0~-2dB | ||||
入力インピーダンス | 40kΩ | ||||
出力インピーダンス | 3kΩ(MAX) | ||||
出力(RL:50kΩ) | 1V、8V(MAX) | ||||
高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.003%(1V出力) 0.01%(8V出力) |
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周波数特性(Low End/High End) | 5Hz/500kHz +0 -1dB | ||||
SN比(出力1V時) | 100dB(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) | ||||
使用半導体 | トランジスタ:46個 ダイオード、他:36個 |
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電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力(電気用品取締法) | 11W | ||||
外形寸法 | 幅480x高さ94x奥行347mm(ラックマウントアダプター含む) | ||||
重量 | 5.9kg | ||||
EIA規格ラック取付ユニット | 2U |