Pioneer SX-100S
¥125,000(1970年頃)
解説
サーボーオートチューニング機構を搭載したステレオレシーバー。
FMもAMもワンタッチでボタンを押すだけというオートチューニング機構を搭載しており、サーボコントロールにより、手動選局より精密な同調を可能にしています。
オートチューニングメカの問題点は、モーターの慣性やブラシの磨耗によってズレが起こり、正確な同調が困難になる事でした。
SX-100Sでは、このズレをAFCでカバーするような方法でなく、ディスクリミネーターから得られる正負の直流信号(Sカーブ)が同調点で0になることを利用して同調点で停止させるしくみを採用しています。
ダイアル指針は停止する前、左右に小さく往復します。これは精密な同調点を追跡しているからで、もし受信の途中に電波の関係で信号位置がずれるような事があってもそれを追いかけて同調します。また、ダイアル指針が動いている間は自動的にミューティングが働くので、不快な局間ノイズは出ません。
このミューティングは、オートチューニング停止感度レベルを兼ねており、さらに可変する事ができます。
また、マニュアル同調も従来どおりに普通に行うことが出来ます。
Local
Stationスイッチを搭載しており、ONにするとダイアル指針を停止させる感度が20dBダウンします。
これにより、電波の弱い局やノイズの多い局では停止せずに通過し、電波の強い局だけを選んでキャッチできます。
また、FM
Stereo
StationスイッチをONにしておけば、ステレオ放送だけを選びます。
付属のリモコンユニットを使う事で、オートチューニングとボリュームの両方が離れたところから操作できます。
FMチューナー部はフロントエンドにFET3個と4連バリコンを組み合わせ、高周波増幅2段、IF部にはIC4個とシャープな特性を持つクリスタルフィルター2個を使用しています。
トーンコントロールにはFETを使用した3段直結型を採用しています。
Phono入力は2系統あり、そのうち1系統は別売りトランス(PP-402)を使用することでMCカートリッジも使用できます。
プリアンプとパワーアンプの分割使用が可能です。
機種の定格
型式 | サーボコントロールオートチューニングステレオレシーバー | ||||||
<FMチューナー部> | |||||||
実用感度(IHF) | 1.7μV | ||||||
キャプチャーレシオ(IHF) | 1.0dB | ||||||
実効選択度 | 65dB以上 | ||||||
S/N | 65dB | ||||||
イメージ妨害比(82MHz) | 90dB以上 | ||||||
IF妨害比(78MHz) | 100dB以上 | ||||||
スプリアス妨害比(82MHz) | 90dB以上 | ||||||
AM抑圧比 | 50dB | ||||||
高調波歪率(100%変調) | mono:0.3%以下 stereo:0.5%以下 |
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ステレオセパレーション | 40dB以上(1kHz) | ||||||
残留キャリアレベル | 50dB以上 | ||||||
アンテナ | 300Ω平衡型、 75Ω不平衡型 |
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ミューティング | レベルコントロール可能 | ||||||
<AMチューナー部> | |||||||
実用感度(IHF) | 8μV | ||||||
S/N(30%変調) | 50dB | ||||||
イメージ妨害比(1MHz) | 80dB以上 | ||||||
IF妨害比 | 75dB以上 | ||||||
アンテナ | フェライトバーアンテナ | ||||||
<パワーアンプ部> | |||||||
ミュージックパワー(IHF) | 340W(4Ω) 208W(8Ω) |
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実効出力 |
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高調波歪率 | 0.5%以下(実効出力時) | ||||||
混変調歪率 | 0.5%以下(実効出力時) | ||||||
出力帯域幅(IHF) | 20Hz~30000Hz | ||||||
周波数特性 | 5Hz~100000Hz ±1dB | ||||||
入力感度/インピーダンス | 500mV/120kΩ(実効出力時、1kHz) | ||||||
負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω | ||||||
ダンピングファクター | 40以上(8Ω、1kHz) | ||||||
センターチャンネル出力電圧 | 550mV | ||||||
<プリアンプ部> | |||||||
出力電圧 | 実効出力時:500mV 最大:3V |
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高調波歪率 | 0.1%以下 | ||||||
周波数特性 | 15Hz~20000Hz ±1dB | ||||||
入力感度/インピーダンス (実効出力時、1kHz) |
Phono1 MAG:2.7mV/50kΩ Phono1 MC:110μV/30Ω(MCトランス PP-402使用) Phono1 CER:60mV/100kΩ Phono2 MM:2.7mV/50kΩ AUX1、2、Tape Mon1、2:200mV/100kΩ |
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録音出力 | Tape Rec1、2(ピンジャック):200mV DINコネクター:35mV |
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トーンコントロール | Bass及びTreble | ||||||
Lowフィルター | -8dB(50Hz) | ||||||
Highフィルター | -10dB(10kHz) | ||||||
イコライザー | RIAA S.T.D | ||||||
ラウドネス (ボリューム-40dB時) |
100Hz:+10dB 10kHz:+6dB |
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ハム及び雑音(IHF) | Phono:80dB以上 AUX:100dB以上 |
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<総合> | |||||||
使用半導体 | トランジスタ:71個 FET:5個 IC:5個 ダイオード:53個 サーミスター:2個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||||
定格消費電力 | 180W | ||||||
最大消費電力 | 360W | ||||||
外形寸法 | 幅486x高さ146x奥行384mm | ||||||
重量 | 15kg | ||||||
付属 | オートチューニングリモートコントロールユニット | ||||||
別売 | MC用トランス PP-402(¥8,700) |