オーディオの足跡

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OMS-40の画像
 解説 

ノイズに埋もれやすいローレベルの信号の再現力を重視したCDプレイヤー。

D/A変換部とアナログ回路の間に新開発のデグリッチングシステムを採用しています。
一般的なCDプレイヤーでは、デジタルデータはD/Aコンバーターで本来のアナログ信号に近い形に変換され、サンプルホールド回路を通ってアナログローパスフィルターに送られます。サンプルホールド回路ではD/Aコンバーターの出力に不可避的に乗ってしまうグリッチノイズを取り除く回路ですが、半導体によるアナログスイッチやコンデンサーから構成されているため、パーツが信号ラインに直列に入ることでデリケートな信号がノイズに埋もれがちになっていました。ナカミチではこの点に着目し、サンプルホールド回路を用いずに新開発のデグリッチングシステムによってグリッチを取り除いています。
このデグリッチングシステムは従来のスイッチに比べて一桁以上もスイッチングスピードの速いトランジスタを用いており、スイッチを閉じた時にD/Aコンバーターの出力にミュートがかかる方式となっています。これにより信号ラインにトランジスタを直列に介在させることなく、グリッチが乗った信号だけを素早くカットしています。しかも、スイッチング時間が極めて短いため、コンデンサーにデータを蓄える必要がありません。
このデグリッチングシステムの採用によって、これまでノイズに埋れていた-90dBもの微小信号も確実に再現しています。特にOMS-40ではデュアルD/Aコンバーターの採用とも相まって、さらにミュート時間を少なく抑えることでローレベルの分解能を向上させています。

デジタルフィルターには16ビットデジタルフィルターを採用しています。これにより高域の不要信号(サイドバンド)を2倍高い周波数に遠ざけ、比較的低次の緩やかなアナログフィルターの使用を可能にしています。
また、OMS-40では特に高精度な独立デジタルフィルターを使用しており、OMS-30の約2倍の高い次数を持たせることでリップル特性や不要帯域減衰特性をさらに向上させています。

D/A変換部にはL/R独立のデュアル16ビットD/Aコンバーターを採用しており、チャンネル間の位相ずれの無い優れた高域特性を実現しています。D/Aコンバーターには高精度なラダー型ICを採用しています。

アナログフィルターは5次のチェビシェフ型アクティブフィルターを採用しています。このフィルターはアクティブ型では比較的低次なため、位相特性(特に群遅延特性)も良好となっています。また、カットオフ周波数も30kHzに設定しており、20kHzまでは殆どフラットな群遅延特性を獲得しています。

電源部には独自のマルチレギュレーテッド・パワーサプライを採用しており、アナログ部に理想的な電源が供給されるよう、専用のマスターパワーレギュレーターを設置しています。さらに、OMS-40ではバッファーアンプとラインアンプのそれぞれにL/R別の専用ローカルパワーレギュレーターを配しています。各ローカルパワーレギュレーターとマスターパワーレギュレーターは帰還ループを持たないNon-NFB電源構成となっており、相互の電圧変動の影響を受けず、クリーンな電源供給を可能にしています。
さらに、アースラインにはアイソレーテッド・グランド方式を採用しており、アナログ部の電源ラインにトランジスタによるバッファーを組み込み、電流を+→−へ流し、グランドは基準電位を規定するだけにしています。これにより、電流にノイズや汚れた成分が乗っていてもグランド電位影響が及ばない構成となり、アナログ回路のアースラインをめぐる相互干渉を排除しています。

ラインアンプ部を完全ディスクリート構成としており、バイポーラトランジスタによる差動入力回路を採用しています。また、アナログフィルターやラインアンプは基板上に設けられた銅製のシールド板によって電源部やデジタル部から飛び込むノイズから保護されています。

出力端子には金メッキ端子を採用しています。

ピックアップ部には、中央のメインビームの情報ピックアップ能力を高めた3ビームレーザーピックアップを採用しています。
また、大幅な高集積化を図った新開発のデジタル信号処理用LSIを採用しており、デジタルノイズの発生を抑え、アナログ回路への干渉を最小限にとどめています。さらに、サーボ部をこのLSIから独立させることでディスクへの追従性を向上しています。

信号処理を行う複数のLSIを1つの水晶振動子で同期させるマスタークロック方式を採用しており、複数のクロックの相互干渉によるビートノイズ発生を防いでいます。

ディスクドライブメカニズムは、スプリングとゴムで構成されたダンパーによってメインベースシャーシからフローティングされており、内部共振や外部振動の影響を受けにくい構造としています。

ディスクをセンタースピンドルに固定するチャッキング方式にはナカミチ独自の方式を採用しており、チャッキングの際にアルミ削り出しでスピンドルにテーパーをつけたセンタリング機構が働き、ディスクのセンターをスピンドルの軸上に正確にホールドしています。これによりディスクの偏心による読み取りエラーを防止しています。
また、ディスクをホールドするチャッキングアームには永久磁石によってディスクを固定するマグネットチャック方式を採用しています。この方式ではディスク装着時にはチャッキングアームが完全にディスクから離れるため、シャーシからの振動の影響を受けることがなく、レーザーピックアップのトラッカビリティ向上に貢献しています。

最大15曲のプログラムメモリー機能を搭載しています。
また、メモリープログラムの追加や修正が可能なほか、メモリープログラム時およびメモリーコール時にメモリーした最初の曲からの合計時間を表示させることもできます。
さらに、ワンタッチメモリー機能を搭載しており、通常の再生時にメモリー操作を行うと、聴いている曲をそのままメモリーできます。

タイムカウンター表示機能を搭載しており、ディスクをローディングするとサービスモードとしてトータルトラック数とトータル演奏時間が表示されます。また、通常の再生状態ではタイムカウンターの表示をタイム/トータルタイム/タイムリメイニングの3種類に切換できます。メモリー再生時にはメモリーしたプログラムに対してヒョ宇治できます。

スキップサーチやダブルスピードキューイング機能を搭載しています。

ダイレクトペレーション機能を採用しており、ディスクテーブルが開いた状態でプレイボタンを押すと自動的にローディングされて再生を開始します。

リピートプレイ機能を搭載しています。

出力調整ボリューム付きのヘッドホン出力端子を搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
読取り方式 非接触光学式(半導体レーザー使用)
エラー訂正方式 CIRC方式
チャンネル数 2チャンネルステレオ
標本化周波数 44.1kHz
量子化 16ビット直線
ディスク回転速度 約200~500rpm(線速度一定)
ワウ・フラッター 測定限界以下
周波数特性 5Hz~20kHz ±0.5dB
S/N比 100dB以上(IHF A-WTD)
ダイナミックレンジ 93dB以上
全高調波歪率 0.004%(1kHz)
全高調波歪率+雑音 0.0055%(1kHz)
チャンネルセパレーション 94dB以上
出力 Line:2.5V/220Ω(1kHz、0dB)
Headphone:約35mW、40Ω負荷(1kHz、0dB)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 最大23W
外形寸法 幅430x高さ100x奥行322mm
重量 約7.1kg
付属:リモートコントロールユニット RM-4CD
方式 赤外線パルス式
電源 DC3V(1.5Vx2)
外形寸法 幅50x高さ19x奥行162mm
重量 約100g(乾電池含む)