Music Reference RM-4
¥290,000(1980年発売)
解説
真空管を用いたMC用ヘッドアンプ。
ロジャー・モジェスキー氏(Roger Modjeski)が設計しました。
理想的な特性を持つ3極真空管の中から、さらに直線性の良い6DJ8を選び、さらに世界ではじめてのコンピューター測定による選別を行って使用しています。
6DJ8は58年頃に開発された真空管で、主にテレビ用途で使用された双3極ミニチュア管としては最後期の開発に属しています。また、ヨーロッパでの名前はECC88、高信頼管はアメリカでは6922、ヨーロッパではE88CCと呼ばれています。この真空管は殆ど業務用として使用されており、ヒューレット・パッカード社などが測定器に使っていた例もありました。
また、電圧増幅管として考えるならば、それまで作られた真空管のうちで最も内部抵抗の小さな球の1つであり、カソード・フォロワーにしなくても充分インピーダンスの低い出力電圧がプレートから取り出せるというメリットをもっています。さらに、内部抵抗の低い真空管は直線性の点で不利だといわれていますが、直線性も良いという特徴を持っています。
RM-4では、アメリカやヨーロッパの著名なメーカー製ではなく、東欧及びソビエトで作られた6DJ8が特に優れているとして採用されています。
保護装置としてサイレント・ミュート機能を搭載しており、電源ON/OFF時のショックノイズから守っています。
入出力端子に金メッキを採用しています。
出力電圧を調節でき、マイクロフォンまたはライン・アンプとしても使用できます。
電源部は定電圧化されています。
信号のピュアリティを守るため、負帰還をかけていません。
機種の定格
型式 | MC用ヘッドアンプ |
最大出力電圧 | 20V(50kΩ) |
出力インピーダンス | 1.5kΩ(アッテネート時にも5kΩ以下) |
入力インピーダンス | 1MΩ(maximum) |
利得 | 30dB(maximum) |
S/N比 | 90dB |
全高調波歪率 | 0.1%(100mV出力時、10~100Hz) |
出力帯域幅 | 0.72Hz~700kHz(-3dB、47kΩ、20pF負荷時) |
ライズタイム | 5μsec |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅360x高さ90x奥行180mm |
重量 | 4kg |