MARK LEVINSON No30L
¥2,850,000(1992年頃)
解説
デジタル部・アナログ部・電源部の全ての回路の完成度を磨き抜き、マスターテープそのものの音に迫る優れたD/A変換を実現したD/Aコンバーター。
本体部は、両サイドのタワー部分に左右独立のアナログ回路、中央部にデジタル回路を納めており、両者間の信号伝送のための最適距離を確保するとともに電気的・機械的・温度的に完全分離させています。
デジタル部では、入力信号にロックするためのDIRにサンプリング周波数に応じて適合レンジの異なる3つのPLL回路を自動選択させる独自のDAIR(デジタル・オーディオ・インターフェース・レシーバー)を採用しています。さらに、続くデジタルフィルターには8倍オーバーサンプリングタイプを採用しています。
D/Aコンバーターにはカスタムメイドの20ビットD/Aコンバーターを左右独立で搭載しています。プラス・マイナスそれぞれのデジタル信号を分離して処理する差動動作を行い、アナログ出力段までその差動動作を維持する独自のDRDAC(デュアルリファレンスD/Aコンバーター)を採用することで、プロ用の20ビットAES/EBUに匹敵する分解能を実現しています。
アナログフィルターには、最新の電流増幅オペアンプを帰還ループに使用したベッセル同調型を搭載しており、一般的な電圧オペアンプを超える高速動作により正確で安定したフィルター特性を得ています。
DAC本体のベース部及びアナログ回路部に電気特性の優れたテフロン基板を採用し、音楽信号のピュア伝送に配慮がされています。
デジタル回路用、両チャンネル・アナログ回路用の3つの独立した電源回路を内蔵した完全分離型電源PLS-330Lを開発し、3本のケーブルによって各回路にDC電源を供給しています。
また、トロイダルトランスやコンデンサーなど使用するパーツにも厳選したものを採用し、新開発の安定化回路やACラインからの誘導ノイズを防止する回路配置などと合わせ、高品質な電源部を構成しています。
入力端子はプロ用の20ビットAES/EBU規格にも対応するバランス型入力を5系統、トスリンク対応のオプティカル入力が2系統、ST規格オプティカル入力が1系統、計8系統の入力を搭載しています。
また、出力端子として各チャンネルにバランス型2系統とアンバランス型を1系統、デジタル出力としてコアキシャル型を1系統、オプティカル型を1系統搭載しています。
機種の定格
型式 | D/Aコンバーター |
デジタル入力 | XLR:5系統 EIAJオプティカル:2系統 STオプティカル:1系統 |
アナログ出力 | XLR:4系統 RCA:2系統 |
デジタル出力 | XLR:2系統(モニター/Rec) EIAJオプティカル:1系統(Rec) |
D/Aコンバーター | 精密デュアル20ビットDACx2 |
フィルタリング | 8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター ベッセル同調リニアフェイズ・アナログフィルター |
周波数特性 | 10Hz~20kHz +0dB -0.2dB |
全高調波歪率 | 0.003%以下(1kHz、0dB、A補正) |
ダイナミックレンジ | 98dB以上 |
SN比 | 105dB |
チャンネルセパレーション | 110dB以上 |
IM歪(SMPTE、IMD) | 0.005%以下 |
ローレベルリニアリティ | -70dB以下まで測定限界以下 -90dB以下まで約+1.7dB(ディザーなし、0dB、1kHz) |
出力インピーダンス | 6Ω以下 |
外形寸法 | 本体:幅492x高さ187x奥行392mm 電源:幅400x高さ133x奥行378mm |
重量 | 本体:15.8kg 電源:12.8kg |