Marantz St-8mkII
¥135,000(1980年頃)
解説
伝統のジャイロタッチチューニングやオシロスコープを搭載したクォーツロックチューナー。
独自のジャイロタッチチューニングに、水晶発振の正確な基準信号を応用して、周波数を100kHzごとに制御するクォーツロックを搭載しています。さらに、フロントエンドだけでなくIF最終段からも信号を検出し、同調制度を高めています。
また、クォーツロックはジャイロタッチノブに連動させたエレクトロタッチ式を採用しており、チューニングを終えてノブから手を離すと自動的にロックされます。
シグナルメーターやチューニングメーターに代わり、マルチワークオシロスコープを搭載しています。
このオシロスコープでは、正確な同調点やマルチパス、セパレーションの状態がディスプレイでき、正確に電波のコンディションを読み取れます。
さらにScope・Input端子に他の機器を接続し、デッキやアンプのセパレーション特性もモニター可能です。
フロントエンド部には低ノイズデュアルゲートMOS FETを採用して高性能化を図るとともに、IF段は音質に関わるメインIF回路とマルチパス・ミューティングのためのサブIF回路にわけ、音質、受信性能ともに高めています。
また、メイン部には4極リニアフェイズLCフィルタとSQW(弾性表面フィルタ)を採用し、歪を低減しています。
FMのIF回路内には余分なノイズ帯域をカットするLC型アンチバーディフィルタを内蔵し、FMステレオ受信時のSN比や歪率を向上させた再生が可能です。
さらに、MPX段にはPLLパイロットキャンセラ回路を搭載して安定したステレオセパレーション特性を実現しています。
検波回路では広帯域化を図っており、リニアリティを向上させています。さらに、厳選したシリコンダイオードの採用によりSN比を高めています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー | ||||
<FMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 76MHz~90MHz | ||||
50dBクワイエッティング感度 | mono:14.1dBf/2.8μV stereo:34.2dBf/28μV |
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クワイエッティングスロープ | 58dB(20dBf) 64dB(25dBf) 76dB(40dBf) |
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S/N比 | mono:88dB stereo:80dB |
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高調波歪率 |
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実効選択度 | wide:50dB narrow:90dB |
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キャプチャーレシオ | wide:0.8dB narrow:1.2dB |
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イメージ除去比 | 120dB | ||||
中間周波妨害比 | 120dB | ||||
AM抑圧比 | 70dB | ||||
周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.2 -1dB | ||||
ステレオセパレーション | 48dB(100Hz) 55dB(1kHz) 45dB(10kHz) |
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<AMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 531~1602kHz | ||||
感度 | 10μV | ||||
S/N比 | 55dB | ||||
選択度 | 60dB | ||||
イメージ除去比 | 80dB | ||||
<総合> | |||||
定格消費電力(電気用品取締法) | 30W | ||||
電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
外形寸法 | 幅474x高さ172x奥行335mm | ||||
重量 | 10.3kg |