Marantz CD650
¥79,800(1986年発売)
解説
16ビット4倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターやCDファイリング・バンクFTSを搭載したCDプレイヤー。
4倍オーバーサンプリングデジタルフィルターと左右独立2D/Aコンバーターを中心とする独自のZフィルターを搭載しています。
CD650では、このZフィルターに新開発の16ビット4倍オーバーサンプリングLSIを投入しており、176.4kHzで動作することで、4倍オーバーサンプリング方式本来の優れた位相特性と通過帯域30kHzに及ぶ高い過渡応答特性を得ています。また、D/A変換後のローパスフィルターには位相特性に優れた3次ベッセルフィルターを使用しています。
D/Aコンバーターには、左右に専用D/Aコンバーターを搭載する2DCAC方式を採用しており、位相ズレの発生を抑えています。また、1チップのLSIに2台のD/Aコンバーターを納めた他、デジタルフィルターとPLL復調回路のLSIも新開発タイプを投入し、デコーダー回路を3チップに集積することで安定性を高めています。
メカニズムには、独自のスイングアームメカを改良したCDM-2を採用しており、さらにフローティング構造を採用することで振動や共振の影響を抑えています。
CDM-2はスイングアーム・1ビームレーザーピックアップの基本設計は継承しつつ、素材と光学系を一新したもので、高比重グラスウール+チックを採用し、軽量化と共振周波数の低下を実現しています。
さらに、ピックアップ部は、独自のレプリカ・テクノロジー(非球面被膜コーティング)とMC型フォーカシングメカを投入して小型化と高精度化を実現しています。
通常のアナログ出力端子に加え、オーディオ帯域内での位相特性とアナログマスターCDの高域特性を音楽性に基いて考慮したマイスター・アウトプットを搭載しています。
また、デジタル出力端子を搭載しています。
新開発のCDファイリング・バンクFTSを搭載しており、FTSでプログラムをメモリーして保存できます。
FTSではプログラムされたCDを自動判別し、各CDごとにメモリーされたプログラムを再生します。CDの判別は独自のID(識別)コードによって行われ、IDコードは全てのCDに記録されているTOCデータを組合わせて、プログラムと同時に自動入力sあれます。
FTSのメモリーは、1枚のCDに5曲をプログラムしたとして、最大155枚まで可能です。メモリー素子にはEEPROM(2kbyte)を使用し、プログラムはトラック/タイム/インデックスのどれでもメモリー可能で1枚につき最大20曲までプログラムできます。
FTSなど各機能の動作やトラック、インデックス、経過・残量時間を集中表示するマルチディスプレイを搭載しています。
最大20曲までのランダムアクセスプログラム、スキッププレイ、スキャン機能、5モードリピート、オートポーズ、曲と曲の間に4秒間のブランク部を挿入するコピーポーズ、3スピードサーチを搭載しています。
ボリュームを装備したヘッドホン端子を搭載しています。
オプションでサイドウッドがありました。
ランダムアクセスをはじめ、ほとんどの機能を手元から操作できるリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
<オーディオ特性> | |
D/Aコンバーター | L/R独立2DAC 16ビット4倍オーバーサンプリングデジタルフィルター |
フィルター | 3次ベッセルフィルター |
チャンネル | 2チャンネル |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
ダイナミックレンジ | 96dB以上 |
S/N比 | 101dB以上 |
チャンネルセパレーション | 100dB |
高調波歪率 | 0.0015%(1kHz) |
ワウフラッター | 水晶精度 |
誤り訂正方式 | CIRC |
アナログ出力 | 2Vrms |
デジタル出力 | 0.5Vp-p/75Ω |
<光学読取り方式> | |
レーザー | AIGaAs半導体 |
波長 | 800nm |
<信号方式> | |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
量子化 | 16ビットリニア/チャンネル |
<その他> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 30W |
最大外形寸法 | 幅420x高さ89x奥行300mm |
重量 | 4kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |
別売 | サイドウッド WCD650(¥4,000) |