Marantz CD-65
¥64,800(1985年発売)
解説
それまでにフィリップス・マランツグループが培った技術をベースに、より高度なテクノロジーを投入して開発したCDプレイヤー。
4倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターと3次ベッセルフィルターによって構成されるZフィルターを搭載しています。
CD-65では、Zフィルターの基本構成をそのまま継承する一方でさらに高音質化を図るため、従来のLSIに変わり世界初の16ビット4倍オーバーサンプリングLSIをD/Aコンバーターとして搭載しています。さらに、D/A変換以前のデジタルフィルターやPLL復調回路用LSIも新開発タイプを投入し、デコーダ回路を3チップのLSIにまとめあげています。
搭載された16ビット4倍オーバーサンプリングLSIは、176.4kHzで動作する16ビットD/Aコンバーターで、しかも1チップ内にL/R独立の専用チャンネルを持つ2D/Aコンバーター方式を採用しており、4倍オーバーサンプリングの位相特性や広帯域という特長を備えると同時にダイナミックレンジを拡大し、優れた特性を得ています。
メカニズム部には、新素材・新光学系を採用し、小型軽量化と無振動化を追求したCDドライブメカCDM-2を搭載しています。
CDM-2では、医学機器や精密機器などに使用される高比重グラスウールプラスチックをサブシャーシ、スイングアームなどのメカの構成部品に採用しており、軽量化と共振周波数の低下を実現しています。
また、光学系にはフィリップス独自のレプリカ・テクノロジーにより、対物レンズの表面に10ミクロンの非球面波被膜をコーティングしており、わずか2枚のレンズ(従来は5枚)で光学系を構成しています。これにより球面レンズで発生する球面収差を追放しています。
さらに、フォーカシングメカニズムを従来のMM型からMC型に改良し、マグネットからコイルへ軽量化することで素早いトラッキングを実現しています。
振動や共振による悪影響を排除するため、CDドライブメカCDM-2自体の共振を追い込み、CDM-2を完全なフローティング構造にして搭載しています。
従来トレイと一体化されていたトレイリッドをも独立させ、トレイを含むCDドライブメカ全体をシャーシから分離・フロート化しています。
デジタル出力端子を搭載しています。
ダイレクトプレイや最大20曲までのランダムアクセスプログラム、最大99曲までのすい切符プレイ、インデックスプレイ、3スピードサーチ、リピート機能などを搭載しています。
3ウェイタイムディスプレイやボリューム付ヘッドホン端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
<オーディオ特性> | |
フィルター | 4倍オーバーサンプリングデジタルフィルター |
D/Aコンバーター | L/R独立2DAC |
チャンネル | 2チャンネル |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.3dB |
ダイナミックレンジ | 96dB |
SN比 | 96dB |
チャンネルセパレーション | 94dB(1kHz) |
高調波歪率 | 0.003%(1kHz) |
ワウフラッター | 水晶精度 |
誤り訂正方式 | CIRC |
音声出力 | 2Vrms |
<光学読取り方式> | |
レーザー | AIGaAs半導体 |
波長 | 800nm |
<信号方式> | |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
量子化 | 16ビットリニア1チャンネル |
<その他> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 20W |
最大外形寸法 | 幅420x高さ86x奥行304mm |
重量 | 4kg |