LUXMAN T-300
¥79,500(1974年3月発売)
解説
基本的な電気的特性を向上させつつ、音質重点主義をさらに徹底させたAM/FMステレオ・チューナー。
フロントエンド部には、4連バリコン、デュアルゲートMOS FET、高調波歪の少ないオッシレータ回路を組み合わせ、感度や各種スプリアス婚変調、耐入力特性を向上させています。これにより微弱電界地域から超強電界地域まで幅広い地域での優れたFM受信が可能となっています。
中間周波増幅段には、位相のリニアリティ特性、リップル特性が優れているLC同調5段の縦列形リニアフェイズ・ブロックフィルタを起用しています。これにLC複同調、新しく開発した広帯域形ディスクリミネーターを組み合わせ、全てLCによる中間周は選択回路としています。これにより全高調波歪、混変調歪が大幅に減少しています。
MPX回路には、歪率を改善するため、あえてディスクリート形MPX回路を採用しています。
付属装置は、切換時のショックノイズを解消するためにFETを採用した電子式ミューティング回路、ハイブレンド形ノイズフィルタ、AGC回路、高出力マルチパス検出回路、同軸ケーブル用コネクタなどを搭載しています。
FM4ch放送を考慮し、4チャンネル・デコーダ用接続端子が設けられています。
AMチューナー部には、高周波増幅1段、中間周波増幅2段の構成を採用しています。
さらに、AM用ミューティング回路や2段階切換えが可能なノイズフィルタを付け加え、AM放送をより楽しめるよう配慮がされています。
デザインはL-300シリーズのプリメインアンプに合うように造られています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
IHF実用感度 | 1.7μV |
2信号選択度 | 75dB |
振幅変調抑圧度 | 53dB |
キャプチャー比 | 1.5dB |
イメージ比 | 95dB |
IF妨害除去比 | 100dB |
周波数特性 | stereo:20Hz~15kHz |
全高調波歪率 | 0.2% |
SN比 | 75dB |
ステレオセパレーション | 40dB(400Hz) |
キャリアリーク | -66dB |
ミューティングレベル | 固定:5μV 可変:4~30μV |
アンテナインピーダンス | 平衡:300Ω 不平衡:75Ω |
出力電圧 | 1.7V |
<AMチューナー部> | |
IHF実用感度 | 250μV/m |
イメージ比 | 80dB |
IF妨害除去比 | 80dB |
周波数特性 | mono:40Hz~5kHz |
全高調波歪率 | 0.6% |
SN比 | 48dB |
ミューティングレベル | 固定:320μV/m 可変:140~1,000μV/m |
出力電圧 | 400mV |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:38個 MOS FET:2個 ジャンクションFET:1個 IC:4個 ダイオード:26個 |
外形寸法 | 幅485x高さ165x奥行281mm |
重量 | 9.3kg |