LUXMAN M-8f
¥650,000(2001年11月発売)
解説
ODNF回路を搭載したステレオパワーアンプ。
通常のステレオパワーアンプとしての使用の他に、BTL接続によるモノラルパワーアンプとしても使用することが出来ます。
高次元の音楽再現を求め、音楽信号と歪の関係を根本から見直して開発したODNF回路を搭載しています。
ODNF回路ではまず、音楽信号の増幅回路部のために位相補正を必要としない超広帯域・ハイスルーレート、低歪回路を搭載しており、従来の負帰還回路(NFB)では避けられなかった位相補正を排除しています。
また、従来のNFB手法では音楽信号ごと歪を抑え込むため帯域の制限や音楽情報量の欠落を招いていましたが、ODNF回路では出力から歪の成分だけを増幅回路の最終段へフィードバックする構成とし、出力波形の歪成分だけを除去することで、初期スルーレートの速さと超広帯域を獲得しています。
さらに、NFB回路において低域に不自然なカラーレーションを与える要因となっていた超低域制御用のDCサーボアンプを排除し、全帯域の音色を統一しています。
電源部にはハイ・イナーシャ電源を採用しています。
この回路では優れた瞬時放電特性を持つ特殊電解コンデンサーを搭載しており、常にゆとりあるエネルギーを電源部にキープすることで遅れ制御を極小化しています。
また、800VAの独立4巻線大型電源トランスや22,000μFx2本の大型電解コンデンサーを搭載しています。
シャーシ構造には不要振動とノイズ対策として高剛性・ボックス遮断構造を採用しています。
振動吸収モードに優れた5点設置のFRPシャーシベースを土台とし、肉厚のシャーシにパーツを強固に固定することで振動ノイズを徹底的に抑えています。
また、電源トランスや電解コンデンサー、アンプブロックが直接干渉し合わないレイアウトとし、さらにそれぞれのブロックをシールド板で遮断するなど、内部フィルターを強化することでフラックスやノイズの干渉を排除しています。
パーツ類にはラックスマン専用のカスタムメイドパーツを採用しています。
抵抗器には、音質的に優れたカーボン皮膜抵抗をベースに、素体磁器であるアルミナの選定からエッチング、炭化、端子材質、端子形状、圧入方法など多岐にわたって検討が加えられており、情報伝達量を向上させています。
また、電源トランスやブロックコンデンサー、電解コンデンサー、銅スチロールコンデンサー、銅製バスバー、高純度ケーブルなどのカスタムパーツを採用しています。
対数圧縮表示方式の大型パワーメーターを搭載しています。
このメーターはアクリル肉厚10mmで、発光色やブランドロゴのイルミネーション効果にもこだわったデザインとなっています。また、メーターの動作や照明をオン/オフする機能も備えています。
入力部には、平衡と不平衡のそれぞれに6接点固定抵抗器切替方式による左右独立アッテネーターを装備しています。さらに、他機種と組み合わせる際の使いやすさを考慮し、1V入力時に100W出力を取り出すリファレンスポジションが設けられています。
AC電源の極性を感知するラインフェイズセンサーを搭載しており、常に正しい極性でセッティングができます。
ACインレットタイプの電源コネクターを採用しており、ラックスマン10000シリーズ電源ケーブルにも対応しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | ||
連続実効出力 |
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入力感度 | 1V/250W(8Ω) | ||
入力インピーダンス | Coaxial:33kΩ Balance:66kΩ |
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全高調波歪率 | 0.004%以下(1kHz、8Ω) 0.08%以下(20Hz~20kHz、8Ω) |
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周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.1dB 10Hz~100kHz +0 -1.0dB |
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SN比 | 120dB(IHF-A) | ||
入力端子 | Coaxial(RCA) L/R Balance L/R (ノーマル時3番ピン+、2番ピン−、1番ピンGND) |
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出力端子 | バナナプラグ対応スピーカー端子 | ||
付属装置 | 大型パワーメーター パワーメーターON/OFFスイッチ スタンバイ・インジケーター ミューティング・インジケーター アッテネーター/入力切換スイッチ BTLスイッチ リモート端子 リモートスイッチ ラインフェイズセンサー |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 620W(電気用品安全法) | ||
最大外形寸法 | 幅467x高さ212x奥行482mm | ||
重量 | 40.5kg |