LUXMAN M-7fの仕様ラックスマン

LUXMAN M-7f
￥390,000(2000年10月発売)

　解説　

M-7シリーズ3代目にあたるODNF回路搭載ステレオパワーアンプ。

通常のステレオパワーアンプとしての使用だけでなく、BTL接続によるハイパワーモノラルパワーアンプとしても使用できます。

音楽信号と歪の関係を見直して作り上げられたODNF(Only Distortion Negative Feedback)回路を搭載しています。
この回路を実現するため、ラックスマンではまず音楽信号の増幅回路部のために位相補正を必要としない超広帯域・ハイスルーレート、低歪回路を開発し、従来の負帰還回路(NFB)では避けられなかった位相補正を排除しています。
またNFBの在り方も見なおし、出力から歪成分だけを検出して増幅回路の最終段へフィードバックすることによって出力波形からひずみ成分だけを除去しています。これによりNFB回路を音楽信号から切り離し、瞬時に立ち上がる初期スルーレートの速さと超広帯域を獲得しています。
さらに、NFB回路において低域に不自然なカラーレーションを与える要因となっていた超低域制御用のDCサーボアンプを排除し全帯域の音色を統一しています。

電源部には独自のハイ・イナーシャ電源を採用しています。
この回路では優れた瞬時放電特性を持つ特殊電解コンデンサーを搭載しており、常にゆとりあるエネルギーを電源部にキープすることで遅れ制御を極小化しています。
また、電源トランスには530VAの大容量トロイダルコア電源トランスと22,000μFx2本の大型電解コンデンサーを搭載しています。

不要振動とノイズを低減するため高剛性・ボックス遮断構造を採用しています。
M-7fでは、振動吸収モードに優れたFRPシャーシベースを土台に採用し、肉厚のシャーシにパーツを強固に固定することで振動ノイズを寄せ付けない筐体構造を実現しています。
また、電源トランスや電解コンデンサー、アンプブロックが直接干渉し合わないレイアウトとし、それぞれのブロックをシールド板で遮断するとともに内部フィルターを強化することでフラックスやノイズの干渉を抑えています。

ラックスマン専用のカスタムメイドパーツを採用しています。
抵抗器には音響的に優れたカーボン皮膜抵抗をベースに、素体磁器であるアルミナの選定からエッチング、炭化、端子材質、端子形状、圧入方法など多岐にわたって検討が加えられており、情報伝達量を向上させています。
また、電源トランスやブロックコンデンサー、電解コンデンサー、銅スチロールコンデンサー、銅製バスバー、高純度ケーブルなどのカスタムパーツを採用しています。

120x100mmの大型パワーメーターを搭載しています。
このメーターは動きが読み取りやすい対数表示方式を採用しています。また、外観はアクリル肉厚10mm、発光色やブランドロゴのイルミネーション効果にもこだわり、高品位なものとなっています。
メーターの動作や照明をON/OFFする機能を備えています。

入力端子にはバランスとアンバランスのそれぞれの端子を搭載しています。
また、それぞれに6接点固定抵抗切替方式による左右独立アッテネーターを搭載しています。さらに、他機種と組み合わせる際の使いやすさを考慮し、1V入力時に100W出力を取り出すリファレンスポジションを搭載しています。

スピーカー端子にはバナナ端子などにも対応した独自開発の大型端子を採用しています。

AC電源の極性を感知するラインフェーズセンサーを搭載しており、正しい極性でセッティングを行うことができます。

別売で光沢木製キャビネットがありました。

M-7fにはM-70f発売にあたってバージョンアップサービスがありました。
このサービスではメインアンプ回路部をM-70fに搭載した最終段4パラレル出力とODNF Ver2.2に対応したパワーブロックへ交換していました。